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东方香霖堂/第15话

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第107-115页
< 第14话   东方香霖堂   第16话 >
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「外の世界」の道具をも扱う香霖堂。そこには、コンピュータという名前の式神が舞い込むこともある。けれども幻想郷の住人たちがその式神を使いこなすには、どうしようもないくらい「何か」が欠けていて――。絶好調の東方シリーズ連載。いつになく悩ましげな霖之助が語ってみせる、ある秘めた決意とは……? 香霖堂也会经营一些“外面世界”里的工具,而且还时常会有被称作“电脑”的式神进驻到这家店里来。但是住在幻想乡里的人们似乎致命性地缺乏一些知识,以至于他们怎么也驱使不了这些式神们——一帆风顺的东方系列连载,霖之助还从来没有这样地烦恼过,而他由此表示出的心中的决意又会是……?
働かない式神 拒绝运作的式神
  これといって何か反応するという訳ではないが、僕は売り物のキーボードを叩いていた。キーボードとは、コンピュータという道具の一部であり、これでもかといわんばかりに無数のボタンが付いている道具だ。売りものだから常に綺麗にしておきたいところだが、このキーボードの掃除のし難さは群を抜いており、すぐに埃が詰まる。非常に人間味のない形をしているといわざるを得ない。   我的十根手指头敲击着键盘,虽然这样并不会使电脑做出什么反应。这个叫做键盘的东西,是电脑这一工具的一部分,它的上面密密麻麻地布满了无数的按键。因为它们是要卖的东西,所以我得时刻使它们保持清洁,不过想要做到这一点可谓难上加难,灰尘很快就会堆积到它们的里面去。我不得不说,这种东西的构造太没有人情味儿了。
  コンピュータは、うちの商品の中でも入荷率、つまり幻想郷で拾得する数が高く、それでいて欲しがる人は少ない厄介な代物である。しかもそこそこの大きさで場所を取る。最近は、コンピュータを見つけても余程興味を惹かれる形をしていない限り拾わないことにしている。   电脑在我的商品中进货率算高的,也就是说在幻想乡里能捡拾到的数量比较多,但有需求的人却很少,算是处理起来很棘手的东西,而且体积还比较大,很占地方。所以只要不是外形很吸引人的,最近我都不会把它们捡回来了。
 
  コンピュータとは使役者の命令通りに動く道具、所謂外の世界における式神のことだが、その異常なまでに複雑な構造と面白みのない外見は、外の世界の文化のあり方を物語っているようだった。   电脑,就是按照操作者的命令运作的工具,就好比是外面世界里的式神一样,不过它的构造异常地复杂,外观也很令人乏味,这些似乎都体现着外面世界里的文化。
  幻想郷では式神とはいえ体面を気にしていて、狐なり猫なりと多種多様な姿をしていて面白いものが多い。それもその筈、本来の式神とは、元々式神となる前の姿が存在し、そこに必要な機能を与えてやることで形成されるものだ。式神の道具としての部分が一番重要なことは当たり前だが、式神そのものの体面がなくなれば本末転倒である。外の世界では、外面より内面ばかりを気にするようになってしまったのだろうか。それは些か心に余裕がなさすぎるのではないか。   在幻想乡里,别看是式神,它们都很注重体面,像狐狸呀、猫呀的,有多种多样的形态,而且很多都很有意思。这倒也是很正常的事情,因为式神都有它们成为式神之前的形态,主人们通过给与它们一些必要的机能就能使它们成为式神。虽说式神作为工具的一面是最最重要的这一点毋庸置疑,但若是式神没有了它能够示人的体面的话那就本末倒置了。难道在外面的世界里,人们已经开始只注重内在而不注重外在了吗?那样一来人们不就活得有些太累了吗?
 
  ――カランカラン   ——叮当叮当
「おう、少し肌寒くなってきたな。半袖の季節ももう終わりかな」 “哦哦,天儿还真有点儿凉了呀,现在已经过了穿半袖的季节了吗?”
「ああ、君はまだ半袖だったのか。いつまで夏のつもりで居るんだい? もうそろそろ暖房でも出さないと寒いくらいだよ」 “是啊,你还在穿半袖呀,你想过夏天过到什么时候呀?再过一阵子,不烧暖炉的话都得觉得冷了。”
「あーいや、私も寒がりな方だが暖房はまだ速い、って何だ? その珈琲は。そんな口の細い瓶に入っている珈琲なんて珍しいな」 “啊—还行啦,虽然我也怕冷不过离烧暖炉还早点儿。嗯?那咖啡是怎么回事儿?咖啡装在口儿那么细的瓶子里还真是少见呀。”
  魔理沙が珈琲と指摘した飲みものは、名前は似ているが珈琲ではなくコーラという飲みものである。外の世界の飲みものだ。飲みものぐらい使用方法がわからなくても、用途さえわかれば飲むことはできる。   让魔理沙给认成咖啡了的那种饮料,虽然名字差不多不过却不是咖啡,那是种叫做可乐的、外面世界里的饮料。一个饮料,就算不知道它的使用方法,只要知道它是用来干什么的估计谁都会喝。
「なんだ? コーラって……ってあんまり拾いもんは飲むなよ?」 “那是什么东西呀?那个叫可乐的……我说你可别老喝捡来的东西哟?”
「大丈夫だよ。これは売りものだし、香霖堂は拾いものを売る店だから」 “没关系的,这是要卖的东西嘛,香霖堂卖的都是捡来的东西啦。”
 
  我ながら何が大丈夫なのかよくわからなかったが、魔理沙は納得したようで机の上に腰掛けた。   连我都不知道这没关系指的是什么呢,魔理沙就好像多明白了似的坐到了我的书桌上去。
  日が傾くのが早くなる一方である。既に空は赤く、有無を言わさず家に帰りたくなる色をしている。秋の日は釣瓶落としとはよく言ったものだ。だが、釣瓶落としの速さはスピードの速さであり、秋の日が沈むのは時間の早さだから釣り合いが取れていないと僕は思う。もしかしたら今の解釈は間違っていて、もっと深い意味があるのかも知れない。今度暇な時に考えてみることにしよう。   最近天黑得越来越早了,现在天空已经被染成了红色,这色彩让人不得不想要回家去了。人们经常把秋天的太阳比做釣瓶落とし[1],不过,这桶落到井底是速度上的问题,而秋天的日落却是时间上的问题,我觉得这两者的比喻并不相称。也许是我刚才的解释有误,这里面还有更深一层的意思。等以后有时间时我再好好想一想吧。
 
「そうそう。そこにあるコンピュータ。一台もらえないか?」 “对了对了,那边那些电脑,能给我一台吗?”
「おおそうか。買ってくれるんだね? このお買い得商品を」 “哦哦是嘛,你要买走它吗?这可是买了实惠多多的好东西呀。”
「いや、金はないけど、ちょっと式神っていうのも面白そうだからな」 “不是,我没有钱啦。我只是觉得式神这种东西好像很好玩儿啦。”
「金はないって、まあツケでもいいけど……」 “没、没有钱吗?算了你就赊着这笔账吧……”
  買う気がないのに商品を物色することをひやかしと言うが、代金を払う気がないのに商品を持って行こうとすることはなんと呼べばいいのか。魔理沙買いとでも言うか。   什么都不想买而只是到商店里看看东西这叫做只看不买,而不想交钱就要把东西拿走,这种行为该叫它什么呢?难道叫它魔理沙买吗?
「ああツケでもいいぜ」 “啊啊,那就算我赊下的吧。”
「ツケでも、って他にどんな選択肢があるのかわからないが、とにかくちゃんと払ってもらうからな。さて、コンピュータも幾つか種類があるが、大きなコンピュータ、小さなコンピュータ、君ならどちらを選ぶかい?」 “那就算?难道我还能有什么其它的选择吗?不过你可得记着给我交钱啊?那么,电脑的种类也有那么几种,比如大型的电脑和小型的电脑,你想要哪种呢?”
「そりゃ大きいのだな。大きい方が強いんだろ?」 “那当然是大的咯,大个儿的能力要强一点儿对吧?”
  魔理沙は大きいコンピュータをどうにか抱え、既に薄暗くなった外へ帰っていった。小さな彼女には不相応な大きさの道具だが、それを力強く持っている姿を見ると非常に魔理沙らしいと思ってしまうから不思議である。道具は通常、大きいものほど仕組みは単純なものである。魔理沙が持っていった大きなコンピュータも見た目はシンプルなものである。しかし、驚くことにその中身は複雑怪奇であり、幻想郷のものの手に負えない代物である。   魔理沙勉勉强强地抱着那台大大的电脑,向已经变得昏暗的屋外走了出去。那个大个头儿和她娇小的身材极度地不相称,但她仍旧很用力地抱着那台电脑,看着这情景,我不禁觉得这才像是魔理沙的性格,真是有些不可思议。不过说起工具,一般都是个头儿越大其组成就越单纯。魔理沙拿走的那台大型的电脑光看表面也很简易,可令人惊异的是它的里面可谓是复杂古怪之极,幻想乡里的任何东西都比不上它。
  このコンピュータのように複雑な式神は、外の技術なくしては創れない。コンピュータに限らず、食器から新聞に使うような紙切れまで、殆どの道具は外の世界の技術の賜物だ。妖怪が日常食べる人間も人間の心も、その餌食となるものは外の世界の人間である。閉鎖空間である幻想郷は、外の恩恵により保っているようなものである。よく「長いものには巻かれよ」と言うが、長いものに巻かれる方がいいというのは、決して楽だからとか安全だからとかではない。すぐ小さな所へ逃げてしまう堕落した己を鍛え直すための教訓である。己をより大きな所に置き、視野を広くする方が学べることは多いからだ。   像电脑这样复杂的式神,要是没有外面世界的技术那可造不出来。不光是电脑,这里从餐具到做报纸要用到的纸张,这些东西几乎都是拜外面世界的技术所赐才得来的。妖怪们平时吃的人和人的心,这些牺牲品也都是外面世界的人类们。作为一个闭锁的空间,幻想乡是靠着外面世界的恩惠才得以维持现状的。都说“要服从比自己有权势、有能力的人或集体”[1],之所以说这样做好,决不是因为混在那种环境里会很舒适、安逸。人一遇到什么事儿马上就会躲进自己感觉合适的小角落里,而这句话正是对这种自我堕落的一条训诫,它教导人们要来重新锻炼自己。因为只有把自己放到优于自身的环境里、开阔自己的视野,学到的东西才会更多。
  閉鎖空間である幻想郷に閉じこもっていると、次第に外の世界の恩恵に与っていることを忘れてしまう。幻想郷に限らず、己の置かれた場所が小さければ小さいほど別の大きなものの恩恵に気が付かない。そんな状態なのに、外の世界より幻想郷の方が優れていると思うようになったら、それは驕りである。人は小さい所に居るものほど、よく驕り、向上心を失う。今の幻想郷を見てみればわかるように、人間も妖怪も堕落した生活を送っているのだ。   如果总是蹲在幻想乡这个闭锁空间里的话,我们就会逐渐忘记外面世界给与我们的恩惠,不仅仅是幻想乡,只要自身所处的环境越小,就会越难以感受到广大外界的恩赐。呆在这样的一个环境里,还会去认为幻想乡要比外面的世界优越的话,那就算是一种傲慢了。一个人所处的环境越狭小,他就会越傲慢,从而失去上进心。只要看看现在的幻想乡大家就都会明白一点,那就是这里的人类们和妖怪们都在过着堕落的生活。
  僕は、いつかは自分の修行のために外の世界に生きたいと思っている。つまり長いものに巻かれたいということだ。そこで自分を磨き、今の僕の知識をさらに活かすことを夢見ているのだ。   为了自身的修行,我希望自己有一天能到外面的世界里去看一看,也就是说,我希望把自己放到一个优于自身的环境里,并通过在那里对自己的磨练,来进一步发挥我现有的知识。
 
  最近拾うコンピュータは、さまざまな用途の中でも特に情報伝達の機能に特化していると僕の能力がいう。こんな四角い箱で自ら動くとは思えないような式神が、一度動き出せばもの凄いスピードで情報を集めてきてくれるというのだが……僕にはその姿が想像しがたい。   我的能力告诉我,我最近捡来的这些电脑,在其多种多样的功能当中,传播信息的功能得到了特别的强化。虽然我无论如何都不会认为这么个四四方方的盒子能自己动起来,不过据说,只要它一开始运作,它就能以极快的速度为其主人搜集信息……这一情景令我难以想像。
  情報を集める式神を創りたければ、嘘でも天狗のような姿にすればいいのである。そうすれば最初に魅力的なコンピュータが生まれ、後に本当に情報を集める機能が生まれるはずである。その考え方が幻想郷の普遍的な真理なのだ。   若是想要造出一个搜集信息的式神的话,那就把它的外形做成天狗不就行了。这样一来,首先,一个具有魅力的电脑就诞生出来了,随后,它就会自然而然地具备搜集信息的功能了。这种想法在幻想乡可是普遍的真理。
 
  寝る前にコーラの空き瓶を見た。コーラは少し口が酸っぱくなるが瓶の形がどこか楽しげで見て楽しめるという点では、これは幻想郷向きな飲みものかもしれない。外の世界の式神もこのくらい面白みのある外見なら、もっとうちの店でも売り上げが伸びたことだろう。そんなことを思いつつ夜を過ごした。   在我睡下之前,可乐的空瓶子进入了我的视线。喝可乐虽然会让嘴里酸酸的,不过它瓶子的外形却很有意思,可以拿来赏玩,从这一点来看,也许这是一种适合于幻想乡的饮料。要是外面世界里的式神也能这么有意思的话,我这个店的营业额也能有所突破吧。我一边这样想着,一边在睡梦中度过了今夜。
 
  ――カランカラッ   ——叮当哐
「霖之助さん。居るわよね?」 “霖之助,你在吧?”
「ああ居るよ」 “啊啊,我在呀。”
「魔理沙から聞いたわよ。何か拾いもので食いつないでいるありさまだって?」 “我可听魔理沙说了,说是你已经落破到靠吃捡来的东西活命了?”
  コンピュータがなくても幻想郷の情報伝達は異常に早い。昨日のことだというのに既に霊夢にまで情報が伝わっている。だが、その情報は既に変化し別のものになっているのだが、コンピュータが集める情報もやはり変化するものだろうか。   就算是没有电脑,在幻想乡,信息的传播也是异常迅速的,虽说才是昨天的事情,现在就已经传到了灵梦的耳朵里,只不过这消息的内容已经发生了变化。电脑所搜集的消息其内容也是会发生变化的吗?
「拾いもので食いつないでいるって、僕はただコーラを飲んでいただけだよ」 “什么叫靠吃捡来的东西活命啊?我不过是在喝可乐而已呀。”
「コーラ? なんだかよくわからないけど拾いものでしょう? 余り得体の知れないものは飲まない方が……」 “可乐?虽然我不知道那是什么,不过是捡来的对吧?可不能老喝捡来的东西……”
  霊夢はコーラの空き瓶を手に持ち訝しんでいた。コーラの内面は黒い飲みものである。だが、外面である瓶に面白みのある形を用意し、外面を軽視していない。この辺には高い智慧を感じる。コーラを創った人間とコンピュータを創った人間は本当に同じ人間なのだろうか。   灵梦用一脸狐疑的表情打量着她手中的空可乐瓶子。可乐这种东西,盛在里面的是黑乎乎的饮料,不过在外面盛装饮料的瓶子却制作得很有意思,如此可见它并没有轻视外表,我可以感觉到这瓶子里面包含着相当高的智慧。可乐和电脑真的是同一个人类创造出来的吗?。
 
「それから昨日、魔理沙がコンピュータを手に入れたって喜んでいたけど、あれってこの店の売りものでしょ? 勝手に持って行っているとしたら一応報告だけでもしておかないと……」 “还有就是,昨天,魔理沙说她弄到电脑了特高兴,那电脑是这店里的东西吧?要是是她偷偷拿走的的话我想怎么着也得来告诉你一声……”
「ああ、それは売ったんだよ。別に持って行かれた訳じゃないさ。ただ、アレを手に入れたところで何も起きないだろうね。最近わかってきたことだが、あの式神は我々のよく知る式神とは少し違うところがあるんだ」 “哦哦,那个是我卖掉的啦,倒不是被她偷走的。只不过,就算她有了那台电脑我看也不会有什么作用的。我最近才有点儿明白了,那种式神和我们平时所熟知的式神有那么点儿不一样的地方。”
「見た目でしょ?」 “外表不一样对吧?”
「見た目も……まぁ確かにそうだが、それより概念が異なる。通常我々のいう式神とは、『パターンを創ることで心を道具に変えるもの』だ。つまり幻想が実体を生むものなんだ」 “外表嘛……倒确实是不一样,不过除此之外,在概念上也是不同的。通常我们所谓的式神,都是‘通过编排出一种行为模式来使心成为工具’的,也就是说,是幻想创造出了实体。”
「式神にワンパターンな奴が多いのはその所為ね」 “式神里面净是一些行为模式单一的家伙就是因为这个吧。”
「だが、このコンピュータは自ら動く心を持っているようには見えない。最初から道具なんだよ。僕はこれを、『パターンを創ることで道具を心に変えるもの』だと想像する。つまり実体が幻想を生むものということだ」 “不过,我看这电脑里面并没有什么足以让它能自行运作的心存在,它从一开始就是个工具。所以据我想像,电脑是一种‘通过编排出一种行为模式来使工具成为心’的东西。也就是说,是用实体来创造出幻想的东西。”
「ピンと来ないわねえ。自分で動く人形のようなものかしら?」 “有点儿想像不出来呀。就好像是自己会动的人偶吗?”
「外の世界では幻想というものは実在しない。いや、実在しないものを幻想と呼んでいるんだ。だからこそ人間は幻想を生む道具を生み出したのだろう」 “在外面的世界里是没有所谓幻想存在的,不,应该说,那里把实际上不存在的东西叫做幻想。正因为如此,所以人类们才制造出了能够创造幻想的工具吧。”
「ふーん。そんな式神を魔理沙が持っていってどうしようっていうのかしら?」 “是嘛。那魔理沙有了这么个式神,她又能让它怎样呢?”
「どうせ鉄くずとなって放置することになるだろうね」 “反正最后都得给当成个铁疙瘩一样放着不管吧。”
 
  ――カランカラン   ——叮当叮当
「聞いたぜ。まだ鉄くずにはなっていない」 “我可听见了啊。它还没变铁疙瘩呢。”
「ああ、居たのか。魔理沙」 “啊啊,你在呀,魔理沙。”
「コンピュータがうんともすんともいってくれないから、ちょっと休憩に来たんだ。コーラはないのか?」 “电脑连吭都不跟我吭一声,所以我就来这儿休息休息啦。还有可乐吗?”
「コーラは薬みたいなものだった。余り美味しいものじゃなかったよ」 “可乐就像是一种药一样,可不是什么太好喝的东西哟。”
「人形くらいに便利な道具になるかと思ったんだがなー」 “我还以为它能跟个人偶一样方便呢。”
 
  魔理沙は扉の前に立ち、まるで悪戯好きの妖精を取り逃したかのように、露骨に残念そうな顔をしていた。   魔理沙站在大门前面,就好像是刚放跑了一个喜欢恶作剧的妖精一样一脸的遗憾。
 
「人形? 人形が便利な道具だって?」 “人偶?你以为人偶是方便的工具吗?”
「ほら、人形に家事手伝いをさせている奴も居るじゃないか。アレだって式神のようなもんだろう?」 “可是,不也有个家伙让人偶帮她做家务的吗?那个也算是跟式神差不多的东西吧?”
「何を言ってるんだい? 人形に式なんか覚えさせられる筈がないじゃないか」 “你说什么呢?人偶怎么可能能够学会式神被赋予的那种行为能力啊?”
 
  また魔理沙が勘違いをしているようである。魔理沙は怪訝な顔をしながら売りものに腰掛けた。霊夢は霊夢で勝手に小さなコンピュータを弄っている。霊夢が弄ると動き出しそうだから少し怖い。   似乎魔理沙又误会了一些东西,她一脸疑惑地坐到了我要卖的东西上去。而灵梦呢,她却在一旁随便地摆弄起小型的电脑来,我不禁有些害怕,因为让灵梦一摆弄,它还真没准儿就会动起来了。
 
「動く人形を式神みたいなものだと言ったね? そういうこともあり得るかも知れないが、今の幻想郷では人形は式神たり得ない」 “你刚才说会动的人偶就像是式神一样是么?这种事儿也许也会成为现实,不过就现在的幻想乡来说,人偶要成为式神它还不够格。”
「そもそも式神と言われてもよくわからないけど、使い魔のようなもんだろう?」 “就算是你跟我谈式神我也不太了解啦,反正就像是个使魔一样对吧?”
「使い魔と人形は近い部分もある。使い魔と式神も近い部分はある。だが、式神は人形とは異なるものだよ」 “使魔和人偶有相近的地方,而使魔和式神也有相近的地方。不过,式神和人偶却是不同的东西。”
「じゃあ何だよ。命令通り動いていたり、働いてたりするの見たことがあるぜ?」 “那它算是什么呀?我亲眼见过人偶按照命令活动、工作的呀?”
「人形は……操られているだけだ」 “人偶……它们只是被操纵着的罢了。”
 
  いつの間にか魔理沙の顔が紅く染まっていた。夕日が沈んできたのだ。これから昼の時間が短くなっていくので、いよいよ妖怪の力が強くなる一方である。   不知不觉间,魔理沙的脸渐渐地红了起来,原来是天边的夕阳就要落山了。以后白天的时间就会越来越短,而妖怪们的力量则会变得越来越强大。
  昨日、釣瓶落としのことを少し考えたのだが、秋の日は釣瓶落としの「釣瓶落とし」とは、「井戸に落とす釣瓶」のことではなく「妖怪の名前」だということではないか。釣瓶落としは、闇夜に木の上から襲いかかる妖怪である。つまり、秋が深まると釣瓶落としが出やすくなるということではないだろうか。これなら、速度と時間の問題は生じない。   昨天我又稍微思考了一下关于“釣瓶落とし”的含义,我想,把秋天的日落比作井桶打水的这个“釣瓶落とし”或许指的并不是那个意思,而是一种妖怪的名字。这种妖怪会在昏暗的夜里从树上袭击人类,也就是说,也许秋意渐深的时候,也正是这种妖怪会频繁出现的时候吧。这样解释的话,就不会产生速度与时间上的问题了。
 
「そりゃ人形は操られてるだろうけど、式神は違うのか? 式神もみんな操られているように見えるんだが……」 “是,人偶确实是被操纵着的,不过难道式神就不一样吗?我看好像那些式神们也都是被操纵着的呀……”
「人形は手を動かすのに、手に繋がれた紐を引っ張る。歩いているように見せるには、手足の紐を交互に動かす。生きているように見せるには、そこら中の紐を引っ張る」 “若要让人偶活动手臂的话,你就必须要拉动连在它手上的线,若要让它看上去像是在走路的话,你就得交替拉动它手和脚上的线,若要让它看上去有生命的话,你就要拉动它全身所有的线。”
「紐なんてあったかなー」 “我看的那个身上有线吗……”
「別に紐でなくてもいいんだよ。魔法でも何でも、何らかの力で操っていることは間違いないんだ。人形が右手を動かすためには、誰かが右手を操らなければいけない。人形に家事手伝いをさせるには、家事手伝いをさせるように操らなければいけない」 “就算是没有线也没关系的,只要人偶它会动,就肯定会有魔法呀或者其它的什么力量在操纵着它。人偶要动一动右手的话,就必须要有人来操纵这只右手,而要让它们帮忙做家务的话,就得操纵着它们去做家务,这样才行。”
「器用だな。自分で家事をやった方が楽なんじゃないか?」 “真不简单哪。其实自己干家务的话不来得更轻松一点儿吗?”
「楽だろうね。でも、同時に操るほど器用ならば、楽ではないが一人ではできないことが可能になるじゃないか」 “可能会吧。不过,如果能厉害到可以同时操纵多个人偶的话,虽然可能不会太轻松,但是这样却能完成一个人绝对完成不了的事情。”
「そうか。ってことは、人形と会話するのも、人形と会話していると見えるように操っている訳か。何ともさもしい一人芝居だ」 “这样啊。那就是说,和人偶对话,那也只是操纵着人偶做那么个样子而已吗?那还真是一场寂寞的独角戏呀。”
「そして、式神は使役者の命令通りに動くものなんだ」 “而式神呢,则是按照驱使者的命令活动的。”
「って、何だよ人形と同じじゃないか」 “啊?什么嘛,那不和人偶一样吗?”
 
  霊夢はコンピュータを前にして、動かないことに諦めてお茶を飲んでいた。コンピュータには余り興味がないらしい。   灵梦面前的那台电脑仍旧是没有任何的动静,她也就撇下它不管,到一边儿喝茶去了。看来她对电脑也没什么兴趣。
 
「まったく違う。式神は命令通り動くことで、別の力を得るものなんだ。さっきの人形の例と比較して言うと、たとえば式神の右手を動かすためには右手を引っ張ったりはしない。手を挙げろ、と言うだけでいい」 “完全不一样。式神可以通过按照命令活动来获取新的能力,和刚才我说的人偶的例子比较着说的话,如果你想让式神活动右手,根本就不用去拉它,只要跟它说:‘举起手来’,就行了。”
「式神は生きているからな」 “因为式神是活着的嘛。”
「生きているだけじゃ命令を聞いてくれないだろう? 僕が君に手を挙げろと言ったところで挙げるかどうか」 “仅仅是活着的话它也不会去听从谁的命令吧?要是我让你把手举起来,你会举吗?”
「挙げるぜ。ほれほれ」 “那当然啦,你瞧你瞧。”
「本当にひねくれた奴だ」 “真是拿你没办法呀。”
「じゃあ何か? 私がコンピュータを使役するには何が必要なんだ?」 “那还有什么呀?要驱使电脑的话我还必须要学会些什么呢?”
 
  ちょっと話している内に店内は、一段と暗さを増していた。もうすぐ、釣瓶落としが跋扈する時間になってしまうだろう。もっとも、この子たちなら喜んで釣瓶落としを探し出してちょっかいをかけるに違いないが。   就说这会儿话的功夫,我的店里更加地昏暗了起来,釣瓶落とし开始肆意跋扈的时间就要到来了吧。当然了,这两个孩子肯定会很乐意到外面去找那些妖怪的麻烦的。
 
「それはそうだな……。コンピュータが言うことを聞くくらいの力を持つこと。つまり、『長いものに巻かれる』ことだ」 “你还缺少的呢……就是让电脑能听你使唤的能力了,也就是说,你得去见见世面啦。”
 
  幻想郷で、このコンピュータが使える時が来るのだろうか。現状を見る限り、幻想郷にいるものが外の世界の恩恵なしで生活できるようになることはあり得ないだろう。だとしたら、コンピュータを使役するには外の世界に行くしかない。   幻想乡会迎来使用电脑的时代吗?仅从现状来看,要想让幻想乡里的居民脱离外面世界的恩惠来生活,这也许还不太现实吧。这样的话,若想要驱使这些电脑,那就只有到外面的世界里去走一趟了。
  幻想郷の情報の伝達は速い。それは好奇心旺盛なものが多い所為であろう。外の世界の式神が自分の代わりに情報を収集する程度のものならば、今の幻想郷には必要ないのかも知れない。   在幻想乡,消息传播得很快,这可能是因为好奇心旺盛的人太多了吧。如果外面世界里的式神只能代替自己来搜集搜集信息的话,那么现在的幻想乡里也许并不需要它们。
 
  僕は働かないコンピュータを見て思う。己の修行のためにも、いつかは「長いもの」である外の世界に巻かれる必要がある。幻想郷は外の世界の恩恵に身を委ねているから自由気ままに暮らせているのだ。そのことは、外の世界の品を扱っている僕だからこそよくわかる。   我看着那些静默不语的电脑,决心哪怕是为了自己的修行也好,哪天一定要到外面的世界中去长一长见识。幻想乡里的人们全靠外面世界的恩惠才能像现在这样自由自在地生活着,经营外面世界商品的我要比谁都更加清楚这一点。
  自分たちは幻想郷に閉じこもりながら、外の世界から都合のいいものだけを受け取り、自立している振りをしている。それは、もし外の世界が滅べば幻想郷は道連れとなってしまうということを意味している。その上、幻想郷にいては外の世界に影響を与えることもできない。幻想郷に住むものたちが外に出て行かず小さな場所で生活しているのは、それが一番楽であることがわかっているからだ。   我们这些人,自我封闭在幻想乡里,只知道去索取那些从外面的世界进来的好东西,就好像是自己自立了一样。也就是说,只要外面的世界一旦毁灭,那么这就意味着幻想乡也会殊途同归。而且,只呆在幻想乡里的话,就不会对外面的世界产生什么影响。因为幻想乡里的人们知道,只呆在这样的一个小地方里生活是最最安逸和舒适的。
  どうせ魔理沙は、コンピュータに家事手伝いでもさせて楽しようと考えていたのだろうが、その狭い空間ならではの堕落した考えでは外の道具は真の姿を見せないだろう。   魔理沙想要台电脑,我想她无非是想让它帮忙做家务,自己好来一个大解放吧。不过在她那种产生于狭小空间的、堕落的想法面前,外面世界里的工具是不会展现出它真正的一面的吧。
  僕が式神を扱うようになるとしたらコンピュータ以外は考えられない。いつかはコンピュータに命令し、今の何倍もの力を身に付ける時が来るまで、外の世界のことを勉強するとしよう。   我要是能够驾驭式神的话,那么我想我的式神肯定是一台电脑。总有一天,我会向电脑下达命令,让自己掌握比现在要强大好几倍的能力。在这一时刻到来之前,就让我来学习一下外面世界的知识吧。
 
「どうした? 暗くなってきたしそろそろ帰るぜ? コンピュータの動かし方はわからなかったし」 “你怎么啦?现在天都黑了,差不多该回去咯。虽然我还是没搞懂电脑是怎么运作的。”
「そうそう、拾いものは余り口に入れないようにね」 “对了对了,你可不要总吃检来的东西了哟。”
「おお、もう結構な時間だな。ってそうだ、二人ともちょっと待って。帰る前に一つサービスしてあげるよ」 “哦哦,现在时间已经不早了呢。啊,对了,你们俩都稍微等一下,回去之前我送你们点儿东西。”
 
  僕はそう言いながらお勝手の方であるものを探していた。そう、僕を含む幻想郷のものたちがこの式神を働かせるために足りないものは、もっと積極的に長いものに巻かれることなのだ。   说着我就走到厨房那边去寻找着某样东西。不错,包括我在内的幻想乡里的所有的人若要想让这种式神为自己工作起来的话,他们所欠缺的,就是更加积极的去长见识。
 
  僕はコーラを魔理沙と霊夢に差し出した。   我递给魔理沙和灵梦一人一瓶可乐。
つづく 待续

注解

  1. 原句为“長いものには巻かれよ”,按谚语的意思大概就是“取人之长,补己之短”。不过如果这样翻译的话,其中意思的细微差别会造成后面翻译的困难或前后矛盾,故此处采取了直译。
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