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東方香霖堂/第9話

出自东方维基
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第49-54頁
< 第8話   東方香霖堂   第10話 >
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Curiosities of lotus asia 09 02.jpg
不可思議な雨は、突如として激しい雷雨へと変わった。そこへ、ふらりと立ち寄ったと思しき、黒い濡れ鼠となった魔理沙。彼女がぶっきらぼうに呟くには、この異変の原因は霖之助自身にある。だがそれが意味するのは、はたしていかなる兆しか――。 不可思議的雨,突然間卻變成了強烈的暴雨。這時,被淋成了個黑色落湯雞的魔理沙正好順道來到了店裏。從她粗魯的抱怨中可以聽出,看來這場異變的原因還在霖之助其自身。但這所意味着的,最終究竟會是怎樣的一種預兆呢……
「夏の梅霖堂」その後編! 「夏季的梅雨堂」之後篇!
夏の梅霖堂 後編 夏季的梅霖堂 後篇
  ――ドン! ガラガラガラ……、バン!   ——咚!轟隆轟隆轟隆……嗙!
「おい! どうした!? この雷雨は尋常じゃないぜ!」 「喂!這怎麼回事兒!?這雷雨可不是尋常的玩意兒嘞!」
  尋常じゃない状態で飛び込んできたのは魔理沙だった。それに濡れようも尋常ではない。   態度極其不尋常的魔理沙飛也般地闖了進來,而且瞧她給淋得那樣子也不是尋常的。
「どうした? 尋常じゃないって……、よくある夏の夕立じゃないか。」 「怎麼了?你說什麼不尋常啊……這不是常見的夏天的雷陣雨麼?」
「嘘つけ、この店だけだぜ、雨が降っているのは。こんな夕立はないだろ?」 「瞎說,這雨可是光在這店邊兒上下耶,沒這樣的雷陣雨吧?」
  とまぁ、軽い挨拶を交わしたところで、魔理沙に嘘をついても仕様がないから、これまでのいきさつを話した。   哎,剛打上招呼就跟魔理沙說謊也不是事兒,我就把事到如此的經過說了出來。
「そうか。私ならこんな天気雨くらい、すぐに晴らしただろうがな。まぁ、霊夢は仕事を邪魔されると怒るから、今回はあいつに任せるとするか。」 「原來啊。要是我的話,像那種程度的晴天雨立刻就能讓它放晴啦,不過,要是打擾靈夢的工作她就該生氣啦,這次就交給她來處理好啦。」
「とりあえず、これで体を拭けよ。その――」 「至少,你先把身上擦乾了。你要是——」
「『濡れた服で売り物に腰掛けられたら困る』、だろ? わかってるぜ。でも、飛ばして来たから大して濡れてないんだ。」   「『穿那濕衣服坐我要賣的東西上我就不好辦了』,對吧?我知道啦。不過我是飛奔來的所以也沒淋濕多少啦。」
  それに「雨は店の周りだけだからな」と言って魔理沙は、タオルを手に取り体を拭き始めた。   「就光這店周圍下雨啊」,魔理沙邊說着邊接過毛巾開始擦乾衣服。
  僕には結構濡れているように見える。雨の範囲は思ったより広いのか、それとも本当は店に来る前に寄り道してきたのか……。こんな異変を前にして、魔理沙がおとなしく黙っているとは思えない。   在我看來她淋得夠透的了,是下雨的範圍比我想的要廣呢,還是她在真正進來之前到別處轉悠去了呢……眼看着這異變,我看魔理沙她肯定不會老實安靜下來的。
  魔理沙は適当に体を拭くと、売り物の壷に腰掛けた。   魔理沙隨便地擦了擦身上,就坐到我要賣的壺上面去了。
「とにかくなぁ、店の周りにだけ異変が起こっているというのは、原因がお前にあるからだぜ。」 「反正啊,既然只有這店的周圍發生了異變,那原因肯定就在你自己啦。」
「思い当たる節はないんだけどなぁ……。」 「不過我心裏可沒譜呀……」
  思い当たる節はある。魔理沙には言えないことだが。   我還是有譜的,可那事兒不能跟魔理沙說。
  今この店だけに降っている雨。雨とは、天(あめ)とも読み取れる。店にだけ雨が降るということは、ここに天が下る、つまり天下があるという意味にも取れる。少し前に魔理沙を騙し……いや、ちゃんとした交渉の末、手に入れた剣。あれはただの剣ではない。あの剣の本当の名前は草薙の剣、別名天叢雲剣なのだ。天下を取る程度の力を持つ、いや、それ以上の力もある剣だ。   現在只有這店的周圍在下雨。說起雨這個字,也可以讀作「天」字,只有店周圍下雨,那就是說天要下降於此,也就是可以理解為「擁有天下」的意思。不久前從魔理沙那兒騙……不對,是通過正當的交涉之後,我得到的那柄劍,那可不是什麼一般的劍,那劍名為草薙之劍,別名又稱天叢雲劍,有奪取天下的能力,不,甚至有這以上的能力。
  この雨は、恐らく天が僕を認めたことの瑞兆であるに違いない。天候を操作するだなんて、なかなか普通の妖怪になせる芸当だと思えない。   這雨,恐怕是上天承認了我的吉兆,沒錯的。說起能操縱天氣,那可絕非是普通的妖怪能隨便掌握的技術。
「どうした、ニヤニヤして? 思うんだが、この雨。その辺の悪戯好きの妖精の仕業なんじゃないのか?」 「你怎麼啦?咧着嘴在那兒壞笑。我想啊,這雨,會不會是什麼喜歡搗蛋的妖精幹的好事兒啊?」
「へ? そ、そう? 雨を降らせるなんてそう簡単にできるのかなぁ。」 「哎?是、是嗎?讓天上下雨這是能簡簡單單辦到的嗎?」
「雨を降らすくらいは大したことないぜ。季節を操作する妖怪がいるくらいだし、しかも降っている範囲も狭いしな。というか雨乞いでもした?」 「讓天下雨這不是什麼大不了的啦,再說,能操縱季節的妖怪又不是沒有,而且這雨,下的範圍又那麼小,是不是你幹什麼求雨之類的事兒啦?」
「ここにだけ雨が下る……、か。ふふふっ。」 「只有這裏下雨……哼哼哼。」
「あー? 無視するなよ。」 「啊—?別無視我。」
  僕はすでに天下を統一した気分でいた。でもそのことを魔理沙には勘繰られないようにしないといけない。魔理沙から貰ったあの剣の秘密がばれてしまうと厄介である。   我感覺就好像是自己已經統一了天下一樣,不過還必須得注意不能讓魔理沙覺察到這一點。要是把從她那兒得來的那把劍的秘密暴露給她可不得了。
 
  魔理沙はしきりに外を気にして窓を見る。豪雨が気になるのか、ひどく落ち着きがない。   魔理沙頻繁地注意着窗外的狀況,看來是很在意這場暴雨的樣子,她表現得相當不安分。
「霊夢も、失敗して諦めて戻って来ないかなぁ……。」 「靈夢要是失敗了,是不是也差不多該放棄回來了吧……」
「おや、他人の失敗を願うなんて珍しいじゃないか。」 「哦呀?你竟然會盼着別人失敗,真少見啊。」
「何言ってるんだよ。暇だからこの店に来たんだぜ? 暇を潰せる出来事が目の前にあるっていうのにじっとなんてしていられるか。」 「你說什麼呀,我可是閒得沒事兒才來你店裏的耶,正好又有個可以消磨時間的事兒擺在眼前,我可踏實不下來呀。」
「何なら魔理沙にもお願いしようか? 異変の調査。別に二人でやっても、僕はかまわないよ。」 「那異變的調查工作,我也拜託一下魔理沙如何?你們倆人干我也不會覺得怎樣啦。」
「また濡れるのは嫌だぜ。」 「我可不想再淋濕了啦。」
「まったく、我侭な奴だな、魔理沙は!」 「瞧你,真是任性的傢伙呀,魔理沙!」
  困っているのは僕の方なんだから、調査してもらえるだけありがたく、あまり強く言うことはできないのだが。こいつらはこいつらで暇つぶしでやっているだけみたいだし、どっちもどっちか。   我這裏可正發愁着呢,你幫我調查一下我也是會感謝你的,不過我也不能太強求。看來這幫傢伙完全只是為消磨時間才到我這裏來的,兩位可謂半斤八兩啊。
 
  ――ドガン! ガラガラガラ……   ——咔啦!轟隆轟隆轟隆……
「うわっ! 何だ今の雷! ものすごく近いぜ!」 「嗚哇!剛才那雷!距離相當近耶!」
  そりゃ、店の周りしか雨は降っていないのだから、雷も近いに決まっている。だが、その大きな雷鳴の直後、雨は突然ぴたっと止んでいた。   那是因為就店的周圍在下雨,雷聲近是肯定的。不過,就在那聲雷的巨響之後,雨突然一下子就停了下來。
  さっきまでの滝のような豪雨の音がなくなり、一瞬にして無音になった。最初は大きな雷鳴のせいで耳がやられたのかとも思ったが、代わりに魔理沙がしきりに囃し立てるのですぐに店内はうるさくなった。   沒了剛才那瀑布般暴雨的響聲,周圍瞬間變得安靜了。一開始我還以為是雷聲太大把耳朵震出毛病來了,不過魔理沙立刻開始叫起好來,店裏也馬上又變得吵鬧起來。
「おっ、雨が止んだぜ。霊夢の奴、やったかな?」 「哦!雨停啦。靈夢那傢伙,解決掉啦?」
「さすが霊夢だ。雨が土砂降りになった時はどうなるかと思ったけど。」 「不愧是靈夢啊,小雨變成暴雨的時候我還擔心該怎麼好呢。」
「私だったら、もっとスマートに解決できたんだがな。」 「不過要是我,本來能更機敏地解決問題啊。」
  魔理沙は落ち着きを取り戻していた。窓の外は強烈な陽射しで夏を取り戻し、それと共に店の中は夏の暗さを取り戻していた。空には雲一つ無い。この空を見て誰がさっきまで雨が降っていたなどと信じるのだろうか。僕にも信じられない。   魔理沙平靜了下來。窗外強烈的日照讓夏天的感覺回來了,同時帶回來的還有夏天我店裏特有的昏暗。天上沒有一片雲彩,看着這天空,有誰會相信就在剛才還下着那麼大的雨呢?我都不會相信。
 
  ――カラン、カラン。   ——叮噹叮噹
「あー、終わったわ。まったく、私にこんな仕事させてぇ、お茶の用意くらいはしてくれてあるんでしょうね、て魔理沙がいるじゃない。」 「啊—,可完事兒了。真是的,把這麼個活兒託付給我,你給我哪怕沏了點兒茶沒有呀?哇,怎麼魔理沙也在啊?」
「香霖は霊夢にやらせておいて、お茶の準備なんてまったくしてないぜ。自分では飲んでいたがな。」 「香霖把事兒託付給靈夢你,他卻根本沒準備茶水什麼的耶,他自己倒是喝來着。」
  僕は慌ててお茶を用意しようとすると、魔理沙は「時間も時間だから、もう飯にしようぜ」と言った。   我正慌慌忙忙地準備去沏茶,魔理沙說「都這個時候了,還是吃飯吧」。
「何それ、時間掛かり過ぎだって言いたいの? まぁ、魔理沙が食事の準備してくれるならいいけど。」 「什麼意思嘛?想說我太花時間了嗎?算啦,要是魔理沙給我準備吃的東西也行啊。」
「時間掛かり過ぎだ。まぁいい、今日は飯、作ってやるよ、材料は何があったっけ?」 「就是你花時間太多啦。好了不說啦,今天就給你做次飯吧,有什麼材料呢?」
  人の家なんだけど、まぁそのくらい見逃してやるか。   這裏又不是你的家,算了這麼點兒事就別追究了吧。
 
  魔理沙はお勝手に入っていった。魔理沙じゃないけど、本当に今、材料は何があったっけ? 雨のせいでしばらくこもっていたから、あまり新鮮なものはないかもしれない。まぁ、魔理沙なら何とかしてくれるだろう。いつも食材を持ってくるくらいだから、最初からうちに豊富な食材なんか期待してないだろうし……。とりあえず僕は霊夢に礼を言い、新しいタオルを渡した。霊夢はすぐに髪を拭き始め、「お茶は?」とせかすように言う。   魔理沙走進廚房去了。雖然不是魔理沙,不過真的,現在還有什麼材料啊?因為這雨我在家憋了有一陣子了,估計沒什麼新鮮的東西了。不過,魔理沙肯定會湊合着給弄點什麼吧,經常是她拿些吃的東西過來,所以我看她也不會期待着我這裏能有什麼豐富的食品……我先向靈夢道了謝,遞給了她條新的毛巾。靈夢馬上開始擦起頭髮來,然後催促般地問我「茶呢?」
「まぁ落ち着け、今淹れているよ。それで、なんだったんだ? この異常な狐の嫁入りは。」 「哎,先等等,現在馬上給你沏。那個,這異常的晴天雨是怎麼回事兒呢?」
「ん? いやなに、梅霖(ばいりん)の妖精が店の屋根裏に住み着いていただけだったわ。ちょっと脅してやったら、逃げて行ったわよ。なんで途中で急に雨が強くなったのかはわからないけど、誰かが邪魔をしたのかしら?」 「嗯?嗨,別提了,原來只是梅霖的妖精住到了你屋頂的裏邊去了。我稍微威嚇了她們一下她們就跑掉了。不過我不知道怎麼中途雨一下子下大了,是不是有誰搗亂了?」
  梅霖の妖精?   梅霖的妖精?
「雨を長引かせる悪戯好きの妖精ね。霖之助さんみたいに。」 「那是種能讓雨期延長的喜歡搗蛋的妖精,就像霖之助一樣。」
「何言ってるんだ? 僕は雨なんか降らせないよ。」 「你說什麼啊?我可沒讓天下雨呀。」
「だってその名前、霖(ながめ)でしょう?」 「可你那名字,不是有個『霖』字麼?」
「それはそんな意味で名付けた訳じゃないよ。それで? その妖精が何だっていうんだ?」 「那又不是按那個意思起的。然後呢?那些妖精是怎麼回事兒?」
「貴方の店、いつも黴が生えるくらいに汚くしているから、居心地がよくてうっかり住み着いていたみたいね。梅雨は黴雨ともいって、黴を好むのよ、たまには店の隅々まで掃除することね。今回みたいに何かが棲み着いても知らないわよ。あ、お茶ありがと。う~ん、新茶ね。」 「因為你的店總是長着黴菌、髒兮兮的,她們似乎是覺得住着挺舒服就一不小心落了戶。你也該偶爾把店的角落也打掃乾淨才行啊,要不然就會像這次這樣,住進來了什麼東西你都不知道。啊,謝謝茶水。嗯~是新茶呢。」
  店の外は鮮やかすぎる緑と、繊細さに欠けるほどの眩しい光であふれかえっていた。さっきまでの雨が盛大な打ち水であったかのように、今は涼しく、そして心地のよい風を暗い店内に運んでいた。   店外充滿了鮮亮的綠色和缺少了些纖細感的刺眼的陽光,剛剛才停下的雨就像是盛大地撒了次水一樣,現在一陣陣清涼而又舒適的風吹進昏暗的店裏來。
  店の奥から魔理沙の声が聞こえる。どうやら食事ができたらしい。   店裏屋傳來魔理沙的聲音,看來是飯做好了。
「駄目だな、香霖。いろんな食材が黴びてるぜ。いくら雨が長引いたからって少しは整理しないとな。仕方がないから今日は味噌と香の物がメインの料理だ、侘しいとか言うなよ。」 「不行啊香霖。好多的食品都發霉了耶,就說這雨下得時間長了點你怎麼也得稍微整理一下呀。沒辦法啦,今天就做了點兒大醬和香味兒小吃當主菜,別嫌單調啊。」
  それにしても、黴かぁ……。僕の天下はまだ遠い。僕は店内に飾ってある剣を見やってそう思った。   話說回來,原來只是因為發了點兒霉呀……看來我離我的天下還差得遠啊。我看着裝飾在我店裏的那把劍想道。
おわり
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