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東方香霖堂/第5話

出自东方维基
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第29-33頁
< 第4話   東方香霖堂   第6話 >
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Curiosities of lotus asia 05 02.jpg
紅魔館のメイド長・十六夜咲夜には、普通でない特別な能力があった。それはまるで、種も仕掛けもない手品のようですらあるという。割れたティーカップをめぐって困惑する霖之助たちをよそに、一人洒落っ気を漂わせる咲夜。やがて合図の声とともに、それをケースごと宙に放り投げて――。 紅魔館的女僕長——十六夜 咲夜有着極其不簡單的特殊能力。據說那是有如沒有機關、手腳的戲法一樣的東西。一邊是正在為打破了的茶杯而困惑的霖之助他們,一邊是渾身散發出瀟灑氣息的咲夜。而後,隨着猶如號令般的話語,她連同茶杯把整個盒子拋向了半空中……
第三話「完全で瀟洒なティータイム」、その後編! 第三話「完全而瀟灑的Tea Time」後篇!
完全で瀟洒なティータイム 後編 完全而瀟灑的Tea Time 後篇
「あー? これはいったい何?」 「啊—?這到底是什麼東西?」
  レミリアは気だるそうに箱の中を指差した。   蕾米莉婭渾身脫力般地指着那個盒子裏面。
  まぁ、もっともな反応だろう。咲夜はティーカップを買いに来て、割れたティーカップを手に取っていたのだ。レミリアの命令で何かおかしなことを企んでいたのかとも考えたが、どうやらそれも違うらしい。意外だがレミリアの方が意思の疎通ができそうだ。   對啊,這才是合情合理的反應嘛。而來買茶杯、又要下了已被打破的茶杯的是咲夜啊,我也想過她是不是在拿蕾米莉婭的命令耍什麼把戲,可看來也不像。不過令我意外的是蕾米莉婭她似乎很快明白了咲夜的意思。
「え? 何って……、ティーカップですが。お気に召さなかったのでしょうか?」 「哎?您說這是什麼……這是茶杯啊。不討您的喜歡嗎?」
「えらく前衛的なデザインね。たとえば取っ手を持っても全体の3分の1も付いてこないし、まるでカップとは思えないあたりが……。でも、もう少し液体が入る部分が多くてもいいんじゃないかしら。」 「還真是超級前衛的設計呢。就算是拿起茶杯把兒也不過只能拿起全體的3分之1,而且還根本不會讓人覺得這是茶杯……不過,要是能盛液體的部分再多些不就更好了麼?」
「でも、この柄が良いじゃないですか。私は、こういう落ち着いて高級感のあるアンティークな柄が好きなのですよ。それに店主のお気に入りでもあるそうですし、ねぇ?」 「可是,這個花紋不是很好嗎?我可是非常喜歡這種素淡而又有高級感的古典花紋的喲。而且店主人還說這也是他所喜歡的,我說得沒錯吧?」
「柄はともかく……。変わったのがお気に入りなのね、店主も。」 「花紋先姑且不說……你這店主還真是喜歡些奇怪東西的人啊。」
  レミリアがいぶかしむような、哀れなような目で僕を見ている。それは“元”お気に入りだ。僕が割れたカップを押し付けたみたいに思われると困るのだが。   蕾米莉婭用一種似乎詫異又似乎哀憐的目光看着我。我說那已是我「原來」喜歡的東西了啊,要是讓她們以為我是在把打破了的茶杯推銷出去的話就難辦了。
「あら、この紙は何かしら?」 「哎,這紙是怎麼回事?」
  ケースに一緒に入っていた紙は、魔理沙の詫び状である。   一起裝進盒子裏的那張紙是魔理沙的道歉書。
「多分、鑑定書かなんかだと思いますわ。」 「我想,也許是鑑定書一類的東西吧。」
「こんな、『すまん』と、だけ書かれた鑑定書があるの?」 「有這種就寫『抱歉』兩個字的鑑定書嗎?」
「『鑑定できませんでした』って鑑定書。」 「意思是『我沒辦法鑑定它了』的鑑定書。」
「まるで、『種も仕掛けもございません』って言う手品師の前置きみたいね。」 「就好像是在說『沒有機關和手腳』的魔術師的聲明一樣呢。」
そのたとえは、難度が高い。 您那個比喻,難度高了點。
 
  霊夢は、二人の言葉遊びに飽きたのか、一人でティータイムに入っている。そういえば、なぜかうちには霊夢専用の湯のみがあるんだよな。   靈夢許是聽夠了兩位的語言遊戲,已經一個人進入喝茶時間了。這麼說起來,怎麼我這裏也有了靈夢專用的茶杯了啊?
「もう一度聞くわ、咲夜。これはいったい何?」 「我再問一遍啊,咲夜。這個到底是什麼?」
「ですから、アバンギャルドなティーカップですわ。」 「我說過啦,是造型前衛的茶杯啊。」
「私は、そんな注文したかしら。」 「我說過要那樣的茶杯了嗎……?」
「確か小さくて、重くなくて、普通っぽくなくて、かわいくて……。」 「好像您是說,要小的、不重的、外表不普通的、可愛的……」
「まぁ、これもかわいいけどね。」 「嗯,這倒也是挺可愛的。」
  かわいいのか?   可愛嗎?
「それに、神社にあった奴より高級感漂ってますでしょう?」 「而且,比神社裏的那個更散發着高級感不是嗎?」
「確かに、形も似ているけど……。」 「的確,連形狀都很相像……」
  形も似ている? 神社にこんなアバンギャルドな(原形をとどめていないという意味だが)カップがあるのか……それを聞いて霊夢が。   形狀都相像?神社裏有造型這麼前衛的(當然意思是失去了原形的)茶杯嗎?……我問了一下靈夢。
「そんなカップ知らないわよ?」 「我可不知道有那種茶杯啊。」
「あぁ、霊夢は知らないか。咲夜を送り出すちょっと前にはあったのよ。」 「啊,靈夢不知道嗎?我送走咲夜之前不久可是有過的喲。」
「お嬢様、それではわからないですわ。私たちが来た後に、カップがアバンギャルドに変形した、のですよ。」 「大小姐,您那麼說她可不會明白啊。您得說『在我們來之後不久,有個茶杯的造型變得前衛了』才行喲。」
「あぁ? あんたら私のカップ割ったなぁ?」 「啊啊?你們把我茶杯打碎啦?」
  しばらく霊夢の怒りの言葉の弾幕が店中に響いた。   然後靈夢憤怒的文字彈幕響徹了整個店裏好一陣子。
  そうか、そういうことか。霊夢のティーカップを割ってしまったから、代わりを買いに来たって訳か。って、それで割れたカップを買ってどうする?   原來,是這麼一回事兒啊。她們把靈夢的茶杯打破了,所以就想來買個替代品。那,買那打破了的茶杯要幹嗎啊?
「咲夜、確かに私は、霊夢のカップと同じようなやつが欲しいと言ったわ。でもね、それは最終形態の物じゃなくて、変形前の物よ。そんなこともわからないのかしら?」 「咲夜,我確實說過想要個和靈夢那個茶杯一樣的杯子,可是呢,我不是要它的最終形態,而是要它變形前的樣子啊。你連這也不明白嗎?」
「え、そうなのですか。てっきり、霊夢とお揃いのカップがお望みなのかなと……。」 「哎,是這樣啊?我還以為您是要和靈夢那兩套茶杯一模一樣的……」
「これじゃお揃いも何も、混ざるわよ。」 「那樣的話哪兒是一模一樣啊,那不混一起了?」
「でも、普通のカップを買っても『何やってるの? 形が全然違うじゃない』とか、言うつもりだったのではないですか?」 「可是,我要是買了普通的茶杯,您不會也打算說『你幹什麼呢?這形狀完全不一樣啊』之類的話吧?」
「そんなこと……言わないわ。」 「那種話,我才不會說呢。」
  多分言うんだろう。メイドもこの幼い(といっても500年以上は生きているらしいが)意地悪お嬢様相手に大変そうだ。ただ、割れたカップが欲しいなら、普通のカップを買って後で割れば良いんじゃないのか?と思ったが、その辺が幻想郷の彼女たち独特の洒落なんだろう。深く考えると疲れる。だから、僕は「理解できない事は気にしない」と考えていることにしているのだ。   估計你會那麼說吧。女僕也好這位幼小(雖這麼說看上去也得活了500年以上了)又壞心眼的大小姐也好,跟她們說話的話看來會累死人的。其實,要是想要個打破了的茶杯的話,買個普通的茶杯回去然後給打破不就行了麼?我雖這麼想,不過那也算是她們幻想鄉少女所獨有的瀟灑性格吧,想太深了會累的。所以我才決定「不能理解的事情就不要去理它」的。
 
「わかりましたわ。普通のカップが欲しいのですね?」 「我明白了。您是要普通的茶杯對吧?」
「咲夜がそう思うなら、お好きにしてよ。」 「咲夜要是那麼想的話,就隨你的便吧。」
「もちろん、私がそう思っただけですわ。」 「當然,我僅僅是那麼想了而已。」
  やれやれ、こいつらも霊夢たちとはまた別の種類の面倒な奴らだな。とにかく、別のティーカップを探してやるか、と思った瞬間、咲夜の声が、
「じゃぁ、このティーカップはゴミね。」
  沒轍了,這些傢伙們跟靈夢她們比起來又是另一種的麻煩。我正想着反正再給她找套別的茶杯吧,可瞬間,我聽到咲夜說:
「那麼,這茶杯就算是廢品嘍。」
  なんだって、ちょっと待て! 慌てて振り返って咲夜を見たが手遅れだった、ケースごとカップを高く放り投げていたのだ!   你說什麼?稍等一下!我慌慌張張地回頭向咲夜看去不過為時已晚,她已連同茶杯把整個盒子高高地拋了起來!
 
  ――カップと破片が宙を舞う! 時間がゆっくりと流れた、そう錯覚する位の緊張が走った! 一組のまだ割れていないカップもある。というか割れていても放り投げる奴がどこにいる! またお茶を飲んでいた呑気な奴ですら、驚いているじゃないか! むしろ霊夢が驚いて湯飲みを落とさないか心配してしまう。レミリアの方はというと、蝙蝠風の羽をピンと伸ばしている。あれは緊張なのか驚きなのかよくわからないが……。   ——茶杯和碎片在半空中飛舞!我緊張到都產生了時間的流逝變慢了的錯覺!茶杯還有一套沒有被打破的,不過連同碎了的茶杯也一起扔了的傢伙跑哪兒去了!?就連還在悠閒喝茶的那傢伙不都驚呆了嗎?!我倒更擔心靈夢別吃驚得再把手裏的茶杯也摔了。說到蕾米莉婭,她正用力伸直了那好像蝙蝠一樣的翅膀,我倒不清楚她那是緊張啊還是吃驚了……
  ……って、カップが落ちて来るまで結構余裕あるな。というか、ケースはとっくに落ちているじゃないか。まぁ、時間を考えると当たり前か……。宙には魔理沙が書いた「すまん」という紙がヒラヒラと舞っている。   ……說起來,茶杯落地之前還有充裕的時間啊,而且,那盒子不早就落下來了嗎?也對,從時間上考慮那不是當然的麼……魔理沙寫着「抱歉」的那張紙正呼啦啦地飛舞在半空中。
「さぁどうかしら。本当の手品というものには、じつは、種も仕掛けもないものですよ」 「看,怎麼樣?所謂真正的戲法,可是不用什麼機關或做手腳的喲。」
  床にはカップの破片一つ見当たらない! 驚いて咲夜を見たのだが、何と不思議なことにその手にカップを持っていた。だが、それ以上に不思議なことに――。   地板上找不到一片茶杯的碎片!我吃驚地望向咲夜,卻看到她正不可思議地把茶杯拿在手裏。可是,更不可思議的是……
 
  結局、ティーカップは無事に売れ、二人は店を出て行った。レミリアは咲夜の手品に大喜びの様子だった。霊夢はしばらく唖然としていたが、二人が神社に向かっていることを思い出したんだろう、飲みかけのお茶を置いて慌てて追いかけていった。   結果,茶杯好好地賣了出去,兩個人離開了我的店。咲夜的戲法似乎讓蕾米莉婭很是高興。靈夢也驚愕地傻在了那裏一陣子,然後才想起她們倆是往神社走的,就把正喝着一半的茶擱下慌慌張張地追了出去。
  僕はというと、咲夜がどうやって投げたカップの破片をすべて集めたのか、しかもどうやって「割れていたカップを完全な形に戻した」のかわからなかった。ずっと狐につままれたままだった……。   而我呢,正想不明白咲夜是怎麼把所有扔出去的茶杯碎片都撿齊了的,還有她是怎麼「把本已打破的茶杯復原」了的呢?我自己一直是莫名其妙……
 
  数日後。「理解できないことは――」の持論に従い、無事混乱から復帰できた。ちょうど魔理沙が遊びに来たので、カップを割ったことを叱りつつ、事の顛末を話して聞かせた。魔理沙の口癖「普通だぜ」から始める説明によると、どうやら咲夜にはそういう能力があるらしい。それは「時を止める能力」だそうだ。なるほど、それならカップを放り投げても、割れる前に拾い上げることもできるだろう。確かに種も仕掛けもないとも言える。   數日後,我遵從自己那「不能理解的事情就——」的原則,順利地從混亂中恢復了過來。正好魔理沙來玩,我為打破了茶杯的事兒罵了她一頓,然後連同事情的原委都講給她聽了。魔理沙則從她那口頭禪般的「那是普通的啦」開始給我說明,據她說,似乎是咲夜具有那種能力,那是「能把時間停止」的能力。原來如此,怪不得她能把扔出去的茶杯在摔碎之前撿起來,的確可以說是沒有機關和手腳的。
  だが待てよ……、その能力では割れたカップを元に戻すことはできないだろう? どうもおかしい。止せばいいのに僕は思い返していた。そう、一つだけ時を止める能力でカップを元に戻す手段がある。それを考えれば考えるほど、僕の頭の中はある一つの懸念で一杯になった。   不過等一等……那能力可不能把已經打破的茶杯復原吧?我怎麼都覺得奇怪,雖然不應該去管它了可我還是反思了一下。不錯,僅有一種方法可以利用時間停止的能力把茶杯復原。我越是這麼想,一種疑念就在我的頭腦中越漲越大。
「そうだ、“元”お気に入りのカップは、あんな柄じゃなかった!」 「對了!我『原來』喜歡的茶杯,不是那個花紋的!」
  嫌な予感がしてあわてて商品の山を探る。あの客はしれっとしてとんでもないことをする奴だ! まぁ、売れたのだから別に損はしてないのだが……。大体の商品の山を確認したんだが、残りは……魔理沙が腰掛けている商品か。僕は魔理沙をどかせ、魔理沙の下敷きになっていた高級なケースを見つけた。これに違いない。魔理沙も覗き込む中、ケースの蓋を恐る恐る開けた。   有種不祥預感的我慌忙去翻弄商品的山堆,別看那位客人表面經常不為所動,可是會幹出點兒出格的事兒來的傢伙!不過,反正東西是賣出去了我倒沒什麼損失……而且山堆里的商品也差不多都確認過了,剩下的就是……魔理沙正坐在屁股底下的商品嗎?我讓魔理沙讓開,找到了已經給魔理沙墊了屁股的高級盒子,是這個沒錯了。在一旁魔理沙的注視下,我惶恐地慢慢把盒子蓋打開了。
  魔理沙も僕も見覚えのある和紙とカップの破片。そしてその和紙に重なるように新しい洋紙が1枚入っていた。それは「ごめんね」とだけ書かれた、手品師の《鑑定書》だった。   裏面是魔理沙和我都有印象的日本紙和茶杯碎片,然後還有一張新復在那張日本紙上面的西洋紙放在裏面。那是張只寫了「對不起」三個字的、魔術師的「鑑定書」。
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