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东方香霖堂/第26话:修订间差异

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2022年9月22日 (四) 22:21的最新版本

第198-205页
< 第25话   东方香霖堂   后记 >
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大人気同人STGのノベル連載も今回でひとまず終了。長い間応援ありがとうございました!! 『東方』の世界は、今後もさまざまなメディアで広がっていく予定。本連載をまとめた単行本も、2008年春発売予定なのでお楽しみに!!
幸運のメカニズム 带来幸运的机理
  ここに賽子が一つあるとする。この賽子を机の上に投げた時、賽の目は誰にも予想できないだろう。   假如现在有一个骰子。当把这个骰子掷到桌子上时,会出现几点是谁也预料不到的。
  例として投げた賽子の目が一だったとする。では、もう一度同じ賽子を投げたときはどうなるだろうか。   假如说掷出的骰子是一点。那么,如果再掷一次会怎么样呢。
  勿論普通に投げたら何が出るのか判らないので、ある条件を付けるとする。条件とは賽子の初期条件を一致させる事、つまり位置、角度、力の入れ具合も全く一緒にすると言う条件である。   如果只是普通地掷出的话出现哪点当然还是预料不到,所以要附加一定的条件。所谓条件即是使骰子的初期状态一致,也就是位置、角度,以及所用的力度都一样。
  するとどうなるだろうか? 賽子は一回目と同じ様に回転しながら空中を舞い、そして全く同じ時間に全く同じ角度で机の同じ場所に当たり、同じように跳ねるだろう。初期条件を全く同じにする事は妖怪ならば出来ない事もないが、人間の手では難しいかも知れない。その場合はそういう装置を作っても良い。   结果会怎么样呢?骰子会跟第一次一样地回转并飞到空中,然后在完全一样的时间以完全一样的角度碰到桌子的同一个地方,并同样地跳起来吧。将初期状态保持一致,如果是妖怪的话倒也不是做不到,但人类也许就会很困难。这种时候做一个相应的装置就好。
  これならば、賽の目は再び一になる筈である。この事実が何を意味するかと言うと、何らかの拍子で世界に存在するあらゆる物体が、過去の一点と全く同じ状態に陥ったとしたら、そこから歴史が繰り返されるという事である。その瞬間から予定された未来が訪れる。さらに言うと、繰り返された歴史の最後には、必ずもう一度今の状態に戻ってくる事も予定されているのだ。もしかしたら世界は既に何度もループしているのかも知れない。   如此一来,骰子的点数便还会是一。这个事实意味着什么呢,如果因某个契机使得世界上的所有物体都陷入了和过去的一点同样的状态,那么自那时开始历史就会重演。从那个瞬间开始已经预订好了的未来就会造访。再进一步说,重演了的历史的最后,再次回到这个状态也是被预订了的。说不定世界已经循环好几次了。
『――カランカラン』 “——哐啷哐啷”
  店の扉がいつもの様に来客の音を立てたのは、ある作業をしている途中だった。日常がループしているかいないかを確かめる為に必要な作業だ。   店门与往常一样因来客而作响的时候,我正在做着某项作业。是为了确认日常是否在循环而必要的作业。
  それは日記を書く事である。二、三年前から書き始めた日記は、分量にして既に数冊分になっていた。日記とは、僕が見てきた幻想郷の仕組みを書き留めた物であり、有り体に言えば後の歴史書である。   那就是记日记。从两、三年前开始记的日记,从分量上来看已经好几册了。所谓日记,是我将看过来的幻想乡的布局记下来的东西,实际上来说,就是未来的历史书。
  妖怪は、人間より圧倒的に寿命が長い為か、余り幻想郷の歴史を纏めようとしない。それは常に人間より優位に立てるという利点と、自分に都合が良いように歴史を変えたいと思っているのだろう。人間は歴史から様々な物を学ぶのだが、妖怪はその選択肢を意図的に奪っているのだ。   或许是妖怪比人类寿命长太多的缘故,总是不去整理幻想乡的历史。估计是为了要保持比人类更高的地位,和想要根据自己的方便篡改历史的原因吧。人类往往从历史中学到各种东西,但妖怪却有所意图地夺走其选择端。
  里に住む妖怪達は、毎日の生活を楽しむ事しか考えていない。山に住む妖怪達は、同じく山に住む同士達の為だけに歴史を創る。里に住む人間は歴史を纏める余裕など無い。これでは幻想郷の歴史はまだ動き始めていないのと同じである。   住在村落里的妖怪,每天只想着怎样享受生活。住在山里的妖怪,只为了山里的同胞而记述历史。村落里的人类又没有空闲来编纂史书。这样一来幻想乡的历史就相当于没有动作。
  僕は人間と妖怪の為に日記を書いている。僕の日記はそのまま幻想郷の歴史書となる予定である。それが幻想郷に住む妖怪と人間のありきたりの生活に吹く、新しい風となる筈だからだ。   我为了人类和妖怪而记着日记。我预订自己的日记就原封不动地成为幻想乡的历史书。因为那将会给幻想乡人类与妖怪的平淡的生活带来一股新风。
 
「――いやぁ、今日は大漁だったぜ。こんな日は二度と無いかも知れないな」 “——哎呀,今天可真是大丰收。这种日子也许不会再有第二次了”
「何を大げさに言ってるのよ。ここん所毎年こんな感じじゃないの」 “在说什么呀。最近几年不都是这样吗”
  魔理沙と霊夢の二人が、帽子や肩に掛かった落ち葉を払いながら店に入ってきた。   灵梦与魔理沙两个人,边拍落帽子与肩上的落叶边走进店里。
  数年ほど前からだろうか、季節の変わり目になると何故か幽霊が増加するので、この時期に霊夢達が幽霊を片付けてまわるのが恒例行事の様になっていた。   大概从数年前开始,每逢季节交替的时候不知为何幽灵就会增加,所以每到这个时期灵梦她们到处收拾幽灵就成了例行公事。
  毎年繰り返される幽霊増加、僕にはかすかに覚えがある。やはりこの世界は繰り返しているのだろうか。   每年幽灵重复性地增加,我是有印象的。看来这个世界果然是在循环着么。
「どうだい、今回の幽霊退治は。少しは幽霊は減ったかい?」 “这次幽灵收拾得怎么样呢。有所减少吗?”
「それが今回も幽霊退治三昧よ。毎年増える一方なんだけど……何か対策した方が良いのかなぁ」 “倾注全力了呢。每年都一味地增加……要想点什么对策才好吗”
「実害がないのならば放っておけばよい。幽霊は、陽気で身が軽いから宴会騒ぎを見つけると集まってくるんじゃないか?」 “既然没有灾害的话不用理就好。幽灵因为欢快且身子轻,所以是不是看到宴会就会聚拢来呢?”
「実害ならあるぜ」 “灾害可有哦”
「なんだい?」 “是什么?”
「幽霊は食べられない」 “幽灵不能吃”
 
  あれは六十年以上前だっただろうか……今と同じように幻想郷に幽霊が増加した時期があった。幻想郷はその当時から変化する事を放棄し、平和な生活を築いていた。   那似乎是六十年之前的事了……和现在一样幻想乡处于幽灵增加的时期。幻想乡从那时开始便放弃了变化,构建了平和的生活。
  安定した状態で且つ変化を嫌い、今のままであり続けようとする状態を『平和』という。今の幻想郷は六十年前のあの頃と同じような『平和』な状態にある。六十年周期で歴史を繰り返す……つまり、これから六十年先までの未来は全て懐かしい物なのかも知れない。   保持安定的状态并嫌弃变化,想要维持现状的状态称为“平和”。现在的幻想乡就同六十年前的那时候一样处于“平和”的状态。历史以六十年为周期反复……也就是说,自此开始的六十年的未来,或许都是似曾相识的。
「この店に幽霊ホイホイとかないのかしら? 置いておくだけで幽霊が捕らえられるような何か……」 “这家店就没有诱灵箱什么的吗?只要放置就可以捕到幽灵的那种……”
「うーん、幽霊を捕らえるったって、幽霊はとりもちにはくっつかないからなぁ。それに箱だろうが何だろうがすり抜けるし……」 “嗯——想要捕捉幽灵,但幽灵又不会粘到粘虫胶呀。而且不论是箱什么都会穿过去……”
「でも、とてもじゃないけど退治仕切れないのよ。このまま幽霊が増え続けたら、この世界はあの世になってしまうかも知れないわ」 “不过,虽说不是绝对但也很难捕完呐。幽灵这样持续增加,现世也许就要变阴世了”
「大丈夫だよ。暫くしたらこの幽霊騒ぎも収まる。そういう未来が予定されているんだ」 “没事的。过不多久这场幽灵骚乱也就平息了。这种未来已经被预订好了”
  霊夢は怪訝な表情で僕を見た。   灵梦惊奇地看着我。
「霖之助さんも、吸血鬼や妖怪達と同じ事を言うのね」 “霖之助先生也跟吸血鬼和妖怪她们说同样的话呢”
 
  巷は幽霊が異常発生したと言われているが、この店に出る事は少ない。そもそも幽霊は騒々しい処に集まりやすい。幽霊自体が儚くて今にも消え入りそうな存在だからであろうか、自分の存在を実感しやすい賑やかな場所に集まる。それは生きていた時の人間と同じで、人の多い処に集まるのだろう。   虽说幽灵异常增多,但却很少出现在店里。何况幽灵通常聚集在吵闹的地方。或许幽灵自身是飘渺得像要消失了的存在,所以聚集于能够容易感受到自己存在的嘈杂的地方。这跟活着的时候的人类一样,聚在人多的地方吧。
「未来が予定されているって言うけど、そんな訳ないぜ。毎日の生活が運だけで成り立っている様な奴もいるしな」魔理沙が霊夢を見てそう言った。 “说什么未来已经预订好了,根本就不可能嘛。这里还有个每天的生活仅靠运气就能成立的家伙呢”魔理沙看着灵梦说道。
「まぁ運だけというか勘だけど、勘だって何らかの根拠があっての勘なのよ」 “说是靠运气还不如说是凭直觉呢,不过直觉也是有根据的直觉哦”
  魔理沙が信じられない、といった顔をした。   魔理沙摆出一幅不能相信的表情。
「宴会でちんちろりんやったときも、勝負にならないくらい賽の目を当てるじゃないか。そんなのに一体どういう根拠があるって言うんだよ」 “在宴会上玩大话骰的时候,不是猜出了那么多次骰子的点数吗,搞得别人都玩不下去了。像那样的能有什么根据呀”
  ちんちろりん? ああ、賽子の目を当てるだけの単純なゲームの事か。宴会で賭博とは極道の世界の様だ。   哦哦,猜骰子的点数那种单纯的游戏呀。在宴会上赌博,怎么跟黑社会似的。
「魔理沙、霊夢が賽の目を確実に当てる事が出来るのは、きっと予定された未来を瞬時に計算しているからだと思うよ」 “魔理沙,灵梦能够精准地猜出骰子的点数,我想一定是将预订好的未来瞬间计算出来了的缘故”
  賽子の目が決定されるメカニズムに対する僕の考えを伝えた。霊夢は恐らく、賽子の初期状態を見て直感で結果が計算できるに違いない。世の中にある幸運とはそういう物だ。   我讲述了自己对骰子出哪一点的机理的构想。估计灵梦一定是看到骰子的初期状态时凭直觉就能计算出结果。所谓世间的幸运就是这种东西。
「霖之助さんそれは全然違うわ。いくら何でも賽子見ただけでそんな計算できっこないわよ。計算高い人は確率でしか考えないじゃない。それに、たとえ計算してもその結果通りにはならないの」 “那可完全不对哦霖之助先生。无论怎样都不可能光看骰子就能做出那种计算。计算高明的人都是用概率来思考的。另外,就算计算出来也不一定是一样的结果”
「何故そう思うんだい? 確かに計算出来る訳が無いってのはそうか知れないが、もし計算出来たら未来が読めるって事になるじゃないか」 “怎么会那样想呢?或许的确是根本就不可能计算出来,但一旦计算出来了不就相当于看到了未来吗”
  霊夢は呆れた様な顔をした。   灵梦做出了无奈的表情。
「運に関しては私の方が数段理解が深いみたいだから、今日は私が教えてあげるわ。確率のメカニズムを。あとついでに未来が予定されていない事も……」 “看来关于运气这方面,我的理解要深许多层呢,所以今天就由我来讲解吧。讲解概率的机理。顺便还有未来并没有被预订这种事……”
  そういうと霊夢は三人分のお茶を煎れ、嬉しそうに手渡した。   说罢灵梦便倒了三人份的茶水,愉悦地递了过来。
 
  霊夢の勘の良さの理由が聞けるのであれば楽しみである。僕はお茶を冷ますのも忘れて口に運んだ。   能够了解灵梦直觉敏锐的原因可不错。我都忘记了茶还没凉好,便送入了口中。
「……ほう。霊夢は初期条件が全く同じになった賽子ですら、同じ目が出るとは限らないと言うのかい?」 “……嗯。灵梦的意思是,就算初期条件完全一样的骰子,抛出后得到的点数都不一定一样吗?”
「当然そうなるわね。それだけで結果が決まる訳がないじゃない」 “当然如此。怎么可能只靠这么点就能决定结果呢”
  霊夢の話は難しい話ではなかったが、そこに衝撃的な真実が含まれていた。   灵梦所叙述的内容虽然不难懂,但却包含了令人惊讶的事实。
  霊夢曰く、この世界は三つの層から成り立っているのだと言う。   依灵梦所讲,这个世界是由三个层面构成的。
  まず、生き物や道具などがある物理的法則に則って動く物理の層。物体が地面に向かって落下したり、河の水が流れたりするのがこの層である。   首先,是生物或道具以某项物理法则而运动的物理的层面。比如物体向地面掉落,河水流动等都属于此层面。
  二つ目は心の動きや魔法や妖術などの心理の層。嫌な奴に会って気分を害したり、宴会を開いてわだかまりを解いたりするのがこの層。大抵の妖怪はこの物理の層と心理の層だけで世界を捉えているから、歴史が繰り返したり、未来が予定されているといった戯れ言を言うのだと言う。   第二,是心理动作或魔法与妖术的心理的层面。遇到讨厌的人而不愉快,开个宴会来消除心中的隔阂等都属于此层面。大多数妖怪都仅从物理的层面和心理的层面来把握世界,所以就说些历史在重复呀,未来已经被预订了呀这类戏言。
  だが霊夢曰く、三つ目の世界の層が世界のループを拒むらしい。その三つ目の層とは、万物が出来事を覚える記憶の層。記憶の層は増える一方で減る事が無いから、過去と全く同じ状態には成りえない。もしそれが過去と同じ状態になるのだとすれば、過去と同じになったという記憶は行き場を失ってしまうから矛盾している。記憶の層は増える一方なのだ。   具灵梦所说,是第三个层面拒绝着世界的循环。这所谓第三层面,就是万物掌握事理的记忆的层面。因为记忆的层面只会增加不会减少,所以不可能与过去的状态相同。如果说能与过去的状态相同,那么记忆就会失去去处因而是矛盾的。记忆的层面只能一味地增加。
  物理の層が物理法則で、心理の層が結果の解釈で、記憶の層が確率の操作を行う感じで、相互に作用して未来を作る。記憶が過去の一点と同じになる事が有り得ない以上、未来が予定されることなど無いと言う。   物理的层面运用物理法则,心理的层面解释结果,记忆的层面操作概率,以类似这样的相互作用来推动未来。既然记忆不可能与过去的某一点相同,那么未来就不可能被预订。
  例えば賽子を一回振って一が出たとする。もう一度全く同じ条件で賽子を落としても、一が出たという事実を賽子が覚えている以上、同じ確率になるとは限らないという。   比方说抛了一回骰子得到点数一。就算再以完全同样的条件抛一回骰子,只要骰子记住了出现过点数一的这个事实,那么结果就不一定相同了。
  そこまで聞いて理解しようとしていた所で「それで、どうして賽の目を読めるって言うんだ?」と魔理沙が質問した。   听了这些,我即将要理解的时候,魔理沙问道:“那你为什么能预料骰子的点数呢?”
  僕は霊夢が考える新しい世界の図に気を取られていたが、魔理沙は冷静だ。賽の目が読める様になれば、ちんちろりんで負けないだけでなく、霊夢並みの幸運を手に入れられるかも知れないからだろう。   我被灵梦提出的新的世界的光景所吸引,然而魔理沙却很冷静。如果能读准骰子的点数的话,不光玩大话骰不会输,或许还可以得到灵梦般的幸运。
「別に私は次に出る賽の目を読む訳じゃないわ。私が賽の目を予想したという事を、賽子が覚えているの」 “其实我并不是去预测下一次会出现哪一点。关键在于骰子记住了我预测了点数这件事”
  賽の目の記憶に霊夢という幸運のカードが入るだけで、結果が大きく霊夢側に偏るのだという。結果が霊夢に付いてくるらしい。   骰子的记忆中加入了灵梦这张幸运卡,仅仅如此,结果就会大大偏向灵梦这一侧。好似结果会跟着灵梦走一般。
「何だそれじゃあ、そんな知識、幸運の持ち主以外役に立たないじゃないか」魔理沙はふてくされた。 “这算什么嘛,这种知识,对幸运的拥有者以外的人不是一点用都没有吗”魔理沙怄气道。
 
  僕は世界の中で運の存在を何か嘘くさい、いかがわしい物だと思い込んでいた。それは未来が予定されていると考えていた事が大きな要因である。縁起物だって、ただのこじつけの塊だと認識していた。   我本来一直觉得在世界中,运气不过是骗人的,不正经的东西。这跟我认为未来是被预订了的有很大关系。本以为缘起物什么的,也不过是牵强附会的东西罢了。
  だが、霊夢の言葉を聞いてこの世における運の存在を再確認した。運の良い人間、悪い人間は確かに存在する。験を担ぐ事で成功する人間もいる。ジンクスに囚われ失敗する人間もいる。それら全て初期条件だけと考えるのは確かに乱暴かも知れない。   不过,听了灵梦的话以后,我对世间的运势有了再认识。的确有运气好的人和运气不好的人。也有承担风险却成功了的人。也有被不吉祥缠身而失败的人。认为这些都是初期条件决定的确实是有些草率。
  確率の決定が記憶の力による物だとすれば、縁起物が確率を操作する力を持つのも当然なのかも知れない。由来が複雑で奇異である程、記憶は多岐にわたり縁起物の格が上がるのもそれを意味している。   如果概率是由记忆的力量所决定的话,缘起物拥有能操纵概率的能力也是当然的。由来愈复杂奇异,记忆就愈多歧化进而缘起物的价值也会上涨。
  霊夢は『この世の物質、心理は全て確率で出来ていて、それを決定するのが記憶が持つ運』だと付け加えた。   灵梦又附加一句“这世上的物质、心理都是由概率构成的,起决定作用的是记忆所具有的运”
  その言葉を聞いて思い出した事がある。『この世の物質は全て確率で存在しているというのは既に常識である』という様な事が書かれた外の世界の科学書を見た事があった。その本を見て、僕は『誰がその確率を確定するのか』が判らず、いまいち理解できなかった事を覚えている。   听了这句话后我想起来一件事。“世上的物质全是由概率构成的,这已经是常识了”我从前看过写有这种话的外面世界的科学丛书。我还记得当时因为搞不懂“概率是由什么确定的”,所以没能怎么理解。
  でも、霊夢が同じような事を考えていて、さらに確率の決定権が記憶にある事に気付いていた。それは驚くべき事だった。   然而,灵梦思考同样的事情,却觉察到了概率的决定权在于记忆。这真让人震惊。
「記憶が確率を決定する……言い換えれば因果応報とも言える、凄いね。確かにその通りかも知れない。ところで君はどうやってそんな知識を身に付けたんだい?」 “记忆决定概率……也可以说是因果报应。真厉害。说不定真的是这样呢。说来你是怎样知晓这些知识的?”
  いつも無為に暮らしている風に見えるけど、と付け加えそうになったが、話をスムースに進める為にやめた。   本想附上一句,平时看起来总是游手好闲的,但为了交流顺畅所以还是打消了。
「もの凄く頭の良い人間に聞いたのよ」 “我是从头脑极度聪慧的人那里听来的”
「もの凄く頭の良い、って言い方って何だか頭悪そうだぜ……」魔理沙が呟いた。 “极度聪慧,怎么听起来有点傻……”魔理沙嘟囔道。
  そんな世界の根源にまで関わるような事まで判る人間がいるのだろうか。   连这种关系到世界根源的事都清楚,有这样的人类吗。
「妖怪にとって歴史が繰り返されていると感じる理由は、単純に人間じゃ無いからよ。人間は短い期間で記憶の糸が途絶えるの。だから妖怪から見て人間は、生まれてから死ぬまで同じ事を繰り返しているように見える、ってだけ」 “妖怪会感觉历史在循环,只是因为不是人类而已。人类的记忆在很短的时间内就断绝了。所以在妖怪看来,人类自出生到死亡一直在重复同样的事,仅此而已”
  霊夢は「霖之助さんみたいにね」と得意げに語っていた。いつもとは立場が逆なだけに、少し悔しい。   灵梦还得意地加上一句“就像霖之助先生一样”。立场跟平时反过来了,搞得我有点窝心。
「その、もの凄く頭の良い人間は、記憶を全て本に書き留めて代々受け継いできた家系なの。だから、永く生きてきた妖怪にも、記憶の少ない人間にも判らない世界が見えてくるんだって」 “那位头脑极度聪慧的人,她的家系代代将记忆全部记录在书籍中并传递下来。因此,能够看见活着长久的妖怪和记忆很少的人类都看不到的世界”
 
  随分と長話をしていたようだ。既に窓の色が夕方の色に変化していた。外の紅葉が部屋の中まで染み出してきているみたいだった。   感觉似乎谈了很久。窗外的颜色已经变成夕阳的颜色了。好像外面的红叶渗透到屋里面了一样。
「ところでもう日が沈むが、今日は何か用事があって来たんじゃないか?」 “话说太阳已经快落山了,你们今天来不是有什么事吗?”
「ああ、そうだった。今日来たのは他でもないわ」 “噢噢,对呀。今天来不是为了别的”
「幽霊もあらかた追っ払ったし、これから神社で宴会するんで、香霖もどうか? って誘いに来たんだったな」 “幽灵也都基本收拾干净了,现在要去神社搞宴会,香霖不来吗?我们是来邀请你的”
  なるほど、それを言うだけで随分と時間がかかったもんだ。最初に用件を言わないからうっかり長話をしてしまったじゃないか。   原来如此,仅仅为了说这点事倒是花了好久时间呢。不在一开始说要事结果不小心长谈了。
「誘って貰って嬉しいが、僕はやらなければいけない仕事がある。それにちんちろりんをやったって、霊夢には敵いそうにないしね」 “我很高兴你们来邀请我,但我还有不得不做的工作。而且就算玩大话骰,想必也赢不了灵梦呀”
「仕事って、その本を書くことか?」魔理沙は僕の日記を指さして言った。 “工作是指写那本书吗?”魔理沙指着我的日记问道。
「そうだけど、ま、店自体も仕事なんだけどね」 “虽说那个也是,但开这家店不就是我的工作么”
「まだ日記を書いてたのか。三日坊主になると思ったんだがな」 “原来还在记日记呀。本以为你会三天打鱼,两天晒网来着”
「これは日記だが、いずれ歴史書になるんだよ。簡単には止めるわけにはいかない。香霖堂発、人間の知識を豊かにする歴史書さ」 “这虽然是日记,但将来会成为历史书哦。不能简单地就放弃了。香霖堂印发的,能够丰富人类知识的历史书。”
  ここ数年の間、紙の入手が容易になってから書き始めた日記が結構な分量になっている。僕はこれを一つの本という形にして記録を残すつもりでいる。その本が幻想郷の歴史書となり、幻想郷のアカデミズムが急激に動き出すだろう。そして幻想郷は外の世界に近づき、未来は安泰な物となる(それと同時に自分の書いた本が売れれば店も安泰である)。   这几年间,自纸张的入手便方便后开始记的日记,分量已经不少了。我打算将此记录以一本书的形式保留下来。这本书变为幻想乡的历史书,并将促使幻想乡的学识风气极具增加吧。然后幻想乡就会认识外面的世界,未来也就安泰了(同时自己写的书能够卖出去的话店也会安泰)。
  今日はさらに、ランダムから事実が決定するメカニズム、何故人によって幸不幸の差があるのか、そんな事実を知っている人間がいる事等……珍しく霊夢から物を学ぶ事が出来た。『記録ではなく記憶が未来を決定する』事も自分の本に書き留める事にしよう。そして、それを読んだ人の記憶がその人の運命のメカニズムに作用すれば、未来は予想できない物になるだろう。人間は妖怪も考えつかない未来へ進み、妖怪も明日何が起こるのか判らないといった、人間と同じ未来の楽しみ方が味わう事が出来たら幸いである。   并且今天,又了解到概率决定事实这种机理,为何人有幸运和不幸的差别,以及有通晓这种事的人类等……少有地从灵梦那里学到了知识。“不是记录而是记忆决定着未来”这点也写在自己的书里好了。然后,如果读到这句的人的记忆,能够对他命运的机理产生作用的话,未来就会变得不可预测了。人类会迈向连妖怪都想象不到的未来,妖怪也能憧憬那种不知明天会发生什么的,和人类共同的未来的话,那便最好了。
 
――外はすっかり暗くなっていた。今頃霊夢と魔理沙は神社で宴会をしているのだろう。いつもの面子で、いつもの様にお酒を呑んで、いつもの様に賭け事で霊夢が勝って、いつもの様に呑み過ぎてしまう……。 ——外面已经彻底变黑了。这会儿灵梦与魔理沙应该在神社摆酒宴了吧。跟往常一样的伙伴们,像往常一样地喝酒,和往常一样地灵梦赢了赌博,同往常一样地喝多……
  でも、決して世界はループはしていない。何故なら、霊夢も魔理沙も妖怪達も、人間と妖怪のハーフであるこの僕も、その事を記憶しているから。その記憶が毎日を少しずつ楽しくしていくのだから。   然而,世界决不是在循环。因为,无论是灵梦、魔理沙、妖怪们,还是半妖的我,都记着这件事。这种记忆将会慢慢使每天变得愉悦吧。
< 第25话   东方香霖堂   后记 >