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東方香霖堂/第21話

出自东方维基
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第158-166頁
< 第20話   東方香霖堂   第22話 >
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彼方より降り注ぐ煌きに幻想郷の住人は何を想う…
最新単行本『東方求聞史記 ~Perfect Mement in Strict Sence』(一迅社)の発売も控える今回は、香霖堂を舞台に魔理沙と霊夢が流星群を観察するお話。単行本が待ちきれないファンのみんなも今回の『香霖堂』を読んで、宇宙の謎に思いを馳せてみてはいかが?
妖怪の見た宇宙 妖怪所見的宇宙
「あ、二つ連続で落ちたぜ!」 「啊,連續落了兩顆呀!」
「うん。後もう一つで十ね」 「嗯。再有一個就十顆了」
  灯を消した店内に二人の興奮した声が響き渡った。そろそろ丑三つ時――もう泣く子は黙る時間であるが、霊夢と魔理沙の二人は黙らなかった。   兩人興奮的聲音在滅了燈的屋內響徹着。差不多快丑時三刻了——連哭泣的孩子都會安靜的時刻,然而靈夢和魔理沙兩人卻沒有安靜。
  店内は二人に占拠され、全ての灯を消されていた。僕は本を読む事も日記を書く事も出来ずに、窓から差し込む僅かな月明かりを頼りに二人の元へ移動した。   店內被兩人佔據着,並且所有的燈火都被搞滅了。我既不能讀書也不能寫日記,便借着從窗戶灑漏進來的少量月光移動到了兩人那裏。
「本当に二人は仕様が無いな、もう十分だろう。こういった『流星群』も珍しい物じゃないし……」 「真拿你們兩個沒辦法,已經足夠了吧。像這種『流星群』也不算什麼稀奇物……」
「何を言うんだよ。香霖が言ったんだろう? 今夜の流星は凄いって、きっと百以上は落ちるって」 「說什麼啊。不是香霖說的嘛?今晚的流行群很厲害,一定會落百顆以上啥的」
「確かに百くらいは落ちると思うが……まさか全部見るつもりか?」 「我想確實會落百顆以上……難道你打算都看嗎?」
「ああ勿論だ。願い事を百以上用意してきたからな」 「嗯嗯當然了。都準備好一百多個願望了呢」
 
  ――昼間の香霖堂店内。   ——午間的香霖堂店內。
  霊夢と魔理沙の二人の流星鑑賞に付き合うきっかけになった日の事である。   是關於被迫陪着靈夢和魔理沙兩人鑑賞流星的日子的事。
  僕は新しく入荷した不思議に品物を、机の上に置いて眺めていた。新しく入荷したと言ってもその品物自体は古く、全体的に薄汚れていた。金属で出来ている部分はあちこち錆びている所もある。   我正在凝視着放在桌子上的新入荷的奇妙物品。雖說是新入荷的不過那物品本身卻很陳舊,整體都有些髒。用金屬製成的部分佈有着斑斑鏽跡。
  その品物は、大きめな西瓜程度の球と、それを支える四本の足で構成されていた。球は金属で出来ているのだが、かなり異様な形をしている。定規の様な細い金属を曲げて繋げた輪が幾つか組み合わさり、まるで竹で出来た毬を彷彿させるような、すかすかの球体だった。さらにそれらの金属の輪は、一つ一つ自由に回転出来る物と、足に固定されて動かない物がある。   這個物品,是由稍大一點的西瓜程度的球和用來支撐它的四隻腳構成的。球是用金屬做的,只是樣子非常奇怪。幾個像尺子一般細的金屬彎曲連接成圈子組合在一起,就好似用竹子做的手鞠,是個空隙很多的球體。並且那些金屬圈,還分為能夠單個自由迴轉的和被固定在腳上不能動的兩種。
  残念ながら幾つかの金属の輪は錆びついている所もあり、滑らかに回転できなかった。このままでは商品にはならないので、何とか自分の手で再生しようと考えていた。   遺憾的是有幾個金屬圈由於生鏽的原因,不能平滑地迴轉。這個樣子的話就不成商品了,所以我在想能否通過自己的手將它再生。
「何だ? このスカスカの変な地球儀は」 「這滿是縫隙的奇怪的地球儀是什麼?」
「これは地球儀ではないよ、魔理沙。で、何時の間に店に来てたんだい?」 「這不是地球儀哦,魔理沙。還有,你何時進到店裏來的?」
「地球に穴が空いたのかと思ったぜ」 「我還以為地球開了一個洞呢」
  魔理沙は、地球儀でなけりゃ一体なんだい? と訊いてきた。   魔理沙問我,如果不是地球儀的話那究竟是什麼?
  地球儀とは、文字通り地球の模型である。幻想郷に居る人間は自分の住む星の事を殆ど知らない。何故なら幻想郷は、地球の中の極一部である日本の、さらに極一部の山奥に存在し、そこから出る事は出来ないのである。   所謂地球儀,正如其名是地球的模型。幻想鄉的住民對自己所居住的星球了解甚少。這是因為幻想鄉存在於佔據着地球上很少一部分的日本的,極小一部分的深山裏,而且還不能從裏面走出去。
  だが、外の情報や道具が入ってこない訳ではない。地球儀も外の世界から流れ込んできた道具の一つで、これにより我々は自分の住む地球を知る事が出来る。知識としてかなり細かい所まで知っているが、幻想郷の人間にとって自分の住んでいる大地と、知識の地球がいまいち結び付いていない。たとえ地球に穴が空いたと言っても、容易に信じてしまうだろう。   不過,並不是說外面的情報以及道具就流不進來。地球儀也是從外面世界流入的一個道具,通過它我們就可以了解我們所居住的地球。雖然從知識面來講已經知道些很細微的事了,但對於幻想鄉的人來講,自己所居住的大地和深奧的地球之間沒有什麼接點。所以就算說地球開了一個洞,也會很容易就相信了。
  だが、地球儀に見えるこの道具は消して地球儀ではない。地球と同じく、幻想郷にも常に近くにあるのに、詳しく判っていない物を測る道具である。   然而,看起來像地球儀的這個道具決不是地球儀。是用來測量和地球一樣的,平時離幻想鄉很近,卻又不被詳細了解的某種東西的道具。
「これは、『渾天儀』と言う道具だ。地球儀が地球を知る道具なら、渾天儀は宇宙を知る道具だよ」 「這個是名叫『渾天儀』的道具。地球儀是作為認識地球的道具的話,渾天儀就是用來認識宇宙的道具」
 
  渾天儀とは、非常に複雑な道具でありながら、ただ星の位置を測定するだけの物である。   渾天儀,既是一種非常複雜的道具,卻又僅僅是測量星星位置的東西而已。
  しかしその複雑さには訳がある。星はただ浮かんでいるだけに見えるが、その位置を正確に測定するのは難しい。定規を当てることも出来ないし、遠くに見える地面だって山があったり森があったりと高さがまちまちである。夜空に方眼紙の様に線が引かれていたり、動かなくて基準となる星が沢山あれば簡単なのだが、当然そんな訳も無い。手の届かない位置に在り、近くに基準となる物も存在しない星々の位置の観測は、昔から多くの天文学者を悩ましてきたのだ。それを解決させる為に、渾天儀は複雑な道具に成らざるを得なかったのだ。   不過它之所以複雜是有原因的。星星看起來好似只是浮着而已,但想要準確測定其位置是很難的。既不能用尺子去量,而且就像遠處的地面有山啊森林什麼的一樣高度也不同。如果夜空也像坐標紙那樣引有線,或是有很多作為基準的不動的星星的話就簡單了,可那當然是不可能的。觀測在雙手無法觸及的地方的,又沒有可以作為基準用的東西的星星的位置這件事,自古以來為難了很多的天文學者。為了解決這個問題,渾天儀便不得不成為一個複雜的道具。
「どうやって使うんだよ。これは」 「這東西到底要怎麼用吶」
「うーん……それは、これから調べるよ」 「嗯——……我正要開始研究呢」
「あ、香霖も判らないのか。そりゃそうだろうな、いつもの事だし」 「啊,香霖也不知道呀。不過也沒錯,反正總是這樣」
  微妙に馬鹿にされた気分だが、事実だから仕方がない。   感覺被微妙地當成傻瓜了,不過是事實所以也沒有辦法。
「いや、使い方は想像付くんだ。真ん中の筒で星を見つつ、この回転する球を星に合わせてここに書いてある目盛りか何かを読み取るんだろう……おや?」 「不不,使用方法已經猜到了。大概是用中間的筒來觀察星星,同時把這個迴轉的球跟星星對齊,再讀取寫在這裏的刻度什麼的……哎?」
  僕は、この道具に奇妙な文字が書かれている事に気付いた。目盛りか何かだと思ったのだが、単純な数値とかではない。この奇妙な文字は、この渾天儀の用途を大きく変化させる可能性がある物だ。   我察覺到這個道具上寫有奇妙的文字。本以為是什麼刻度呢,但並不是一些單純的數字。這些奇妙的文字,擁有能夠大大改變渾天儀用途的可能性。
「どうした? その輪っかに何か書いてあるのか?」 「怎麼了?在那個圈子上寫有什麼東西嗎?」
「ふむ、書いてあるな。僕はこの道具はてっきり外の世界の物だと思い込んでいたが……ここに書かれている文字はそれを覆す物かも知れない」 「嗯嗯,是有寫。我一直以為這個道具是外面世界的東西……然而在這裏寫有的文字可能會推翻這種認識」
「どれどれ、見せてみ? ふむふむ、読めないぜ」 「來來,給我看看?唔唔,不會讀哦」
「早いね」 「好快」
  渾天儀に書かれた奇妙な文字とは、星座の名前だったのだ。   渾天儀上寫有的奇妙的文字,是星座的名字。
「ここに書かれているのは……雪入道座、火炎婆座、芭蕉精座……。どうやら星座の名前だと思う」 「這裏寫着的是……火入道座、火炎婆座、芭蕉精座……我想應該是星座的名字」
「なんだいその星座は、えらくマニアックな星座ばかりだな」 「星座是什麼呀,感覺都很癲狂呢」
「そんな単純な問題ではない。そんな星座は聞いた事も無いよ。まぁ、確かに極端にマニアックな名前の星座を書き連ねただけに過ぎないのかも知れない。それもおかしな話だし、たとえそうだとしてもこれらの星座の名前……」 「並不是那麼單純的問題。根本就沒聽過這些星座呀。不過,或許是隨便寫下一連串的極端偏執的星座的名字也說不定。但也是很奇怪的事,而且就算是那樣這些星座的名字……」
  手の目座、釣瓶落とし座、大天狗座……。   手目座、釣瓶落座、大天狗座……
「どれもこれも全て、日本の妖怪の名前じゃないか」 「這些不全部都是,日本妖怪的名字嗎」
 
  我々――幻想郷の人間に限らず恐らく外の人間も同じだと思うが、知っている星座とは殆ど大陸から来た星座である。これは幻想郷が外の世界と隔絶する前から使っていた歴史の有る代物だ。   我們——不限於幻想鄉的人類,外面的人類估計也一樣,所知道的星座基本都是來自大陸那邊的。這些是自幻想鄉與外面世界隔絕之前就存在的。
  それ故に、日本古来の星座と言う物もある事はあるのだが、今でも残っている物は少ない。日本はどちらかというと、星の結びつきより星単体に名前を付け、それを崇めたからである……と、ずっと思っていたのだが、この渾天儀を見てからその考えも改めないといけないかも知れない。何故なら、日本の妖怪の名前の付いた星座が大陸からやってくる事は考え難い。日本で名付けられた星座がこんなに大量に存在するとすれば、日本独自の天文技術もかなり進化していてもおかしくない……のだが。   所以,雖說也有些日本古代的星座,但沒有留下來多少。而且比起星星之間的聯結,日本往往會給單獨的星星起名字並加以崇拜……我本來是這麼認為的,但看過這個渾天儀後這種認識或許也不得不改變了。因為很難想像擁有日本妖怪名字的星座會從大陸那邊傳過來。如果存在這麼多在日本被命名的星座的話,日本獨自的天文技術大大發展也應該不奇怪……才對。
「しかし……妖怪の名前しかないな。日本独自の天文技術だとしたら、もっと神様の名前や、英雄の名前を付けても良い筈なのに。だとすると、日本独自と言うよりは……。この天球儀はひょっとして外の世界の道具ではなくて――」 「不過……只有妖怪的名字啊。如果是日本獨自的天文技術的話,應該會起一些神明或是英雄的名字呀。這樣看來,說是日本獨自,還不如說是……這個渾天儀也許不是什麼外面世界的道具——」
  妖怪の渾天儀かもしれない。何千年も生き続けて来た妖怪達だ、自分達独自の天文知識を持っていても可笑しくない。妖怪達は人間が作った技術を馬鹿にする事が多い。天文学も人間の天文学を使わずに自分達で構築したのだろうか。もしくは、人間が使っている天文学は実は妖怪が考えた学問、という事すら考えられる。   而可能是妖怪的渾天儀。過活了幾千年的妖怪們,擁有獨自的天文知識也不足為奇。妖怪往往會嘲笑人類創造的技術。天文學也許也沒有採用人類的,而是靠自己構築起來的吧。或許,人類所用的天文學其實是妖怪思考出的學問也說不定。
  と言うのも、妖怪は千年以上も昔に月に行った事もあると言い伝えられている。その頃の人間と言えば、まだ星の意味も月の意味も判らなかった筈だ。それだけ妖怪の天文技術は優れていたのである。   之所以這麼說,是因為傳說妖怪早在千年以前就去過月球。那個時候的人類,應該還既不了解星星也不了解月球。妖怪的天文技術就是如此的優越。
 
  満月の日には妖怪達の宴が行われたり、新月になると妖怪が大人しくなったり、妖怪にとって月は重要な天体の一つである。妖怪が月の研究を進めていた事は容易に想像できる。   滿月的時候妖怪們會舉行宴會,而新月之時妖怪們會變得安靜等等,對於妖怪來說,月球是重要的天體之一。那麼便很容易想像得到妖怪進行着月球的研究。
  しかし、この渾天儀に書かれた妖怪の星座の名前は、妖怪の研究が月だけでは無く、数多の星々まで幅広い物であった事を示唆している。   不過,這個渾天儀上寫有的妖怪星座的名字表明,妖怪的研究不僅限於月球,更是擴展到大多數的星星上面了。
  例えば、天の川は鬼神の河であり、そこから鬼の酒が地上に流れ込むとされている。河の近くで力強く輝くオリオン座の三つ星は、妖怪の伊吹童子座と呼ばれ、伊吹童子の三つの力――即ち、調和と有限、そして無限を示しているらしい。   舉例來說,銀河是鬼神之河,並認為鬼的酒從中流到地面上來。在河旁強力閃耀着的獵戶座的三顆星,被稱作是妖怪的伊吹童子座,顯示着伊吹童子的三種力量——即調和、有限和無限。
  惑星はその明るさと不定な動きから、天狗の星と呼ばれる。あっちこっちをふらふらと動き、妖怪の輪を乱す存在とも読み取れる。   行星因為其亮度和不固定的運動而被稱為天狗之星。可以認為其遊走漂浮於各處,攪亂妖怪的圈子。
  妖怪の星座には、なんと彗星の記述もある。しかも彗星の周期まで調べられているのだ。妖怪は永く生きられる為、人間より調査が容易いと言う事もあるだろう。彗星は、妖怪の星座では忌星と呼ばれ、妖怪の社会を脅かす縁起の悪い物らしい。   妖怪的星座里,竟然連彗星的記述都有。而且還研究到彗星的周期了。這也是由於妖怪的壽命很長,比起人類更容易調查的緣故吧。彗星在妖怪的星座里被稱為忌星,貌似是會威脅到妖怪社會的不吉利的東西。
  また、一際大きな文字で書かれているのは天龍座である。これは所謂北斗七星の事だ。天龍は常にある一点を見つめており、いつか飛び出そうとしていると言う。その一点にある星、それが北極星である。   還有,用格外大的文字標註的是天龍座。這是所謂的北斗七星。天龍一直以來都在注視着某一點,並打算飛去那裏。在那一點的星星,便是北極星。
  妖怪の星座では北極星は不動の星、つまり不動尊の夜の顔であり、不動尊――大日如来の化身だそうだ。大日如来は、言う迄も無く妖怪の力を無力化する太陽の権現であるが、夜の世界でも妖怪の百鬼夜行を暴走しないように、北極星となって食い止めていると言うのだ。天龍はいつかその不動尊――北極星を食べて、昼の天も夜の天も支配してしまおうと企んでいるらしい。記述によると、数千年の後に天龍は動き出し、その時妖怪の社会も大きく変化する、と予言されている。数千年後の話とは言え、妖怪の先見性は人間のそれとは比べ物にならないから、気になる記述ではあるが……。   妖怪的星座里北極星是不動之星,也就是指不動明王的夜貌,不動明王——據說是大日如來的化身。大日如來,不用多說即是能夠使妖怪無力化的太陽的化身,在這裏為了避免夜裏妖怪的百鬼夜行失去控制,於是化為北極星進行阻攔。天龍好似遲早要吃掉那個不動尊——北極星,企圖支配晝夜。根據記述,預言着幾千年後天龍將會有所行動,到那時妖怪的社會也會發生很大變化。因為妖怪的先見性根本不是人類所能比擬的,所以真是一段令人在意的記述……
 
「ところで、そんなに詳しく説明して戴いて無駄な時間の事この上無いが、一つ聞きたい事がある。この道具で星の位置と妖怪の星座を知る事が出来るのは判ったが、アレはどうなんだ? 夜空の主役の……」 「話說,雖然你那樣詳細地解釋明顯是在無謂地浪費時間,不過我想問一件事。我明白用這個道具可以了解星星的位置和妖怪的星座了,那麼那個呢?夜空的主角……」
「夜空の主役? 月の事か? そりゃ月の位置も同様に測れるだろう」 「夜空的主角?是指月亮嗎?月的位置當然也是可以測量的」
  月は妖怪にとっても重要な天体である。夜空の主役は月に間違いないだろう。   月球對於妖怪而言是十分重要的天體。夜空的主角應該是月球沒錯。
「違うぜ。月じゃなくて……」 「不是呀。不是月亮……」
「月の他に主役を張れる天体があるのかい?」 「除了月亮還有能成為主角的天體嗎?」
「アレだ、一瞬で流れて消える一番目立つ星だ」 「那個呀,瞬間就消逝掉的最顯眼的星星」
「一瞬で……もしかして流れ星の事かい?」 「瞬間就……難道是指流星嗎?」
「ああ、そうだ。星の中では流れ星が一番好きだな。ついでに願い事も叶うし」 「對,沒錯。在星星裏面我最喜歡流星了。還可以順帶許願」
  なるほど流れ星か……派手な物が好きな魔理沙らしい。だがアレは違う、アレは天体ではない。   原來是流星呀……像是喜愛華麗的東西的魔理沙的選擇。不過那個可不對哦,那個並不是天體。
「流れ星は星ではないよ」 「流星不是星星哦」
「流れ星だろ? 星じゃないか」 「流星還不是星星嗎?」
「流れ星とは……天を翔る龍、天龍の鱗がはがれ落ち、光り輝いた物だ。だからこの道具では位置を調べる事は出来ないよ」 「流星呀……是翱翔於天際的龍,天龍的鱗片脫落下來並閃耀得來的。所以用這個道具是沒法研究其位置的」
「ふーん、まぁ動くからな。測れないと思ったが、残念だ」 「是這樣啊,也確實是動來動去的。雖然猜到了無法測量,但還是很遺憾」
「どうして残念なんだい?」 「為什麼遺憾呢?」
「何時流れるか判れば願い事も叶い放題だからな。他の星の研究する暇があるのなら、流れ星の研究をした方が良い」 「如果知道了什麼時候流過的話不就可以盡情許願了嘛。如果有閒暇去研究其它星星,還是研究流星比較好」
「暇だから研究している訳じゃないと思うけど……。まぁ確かに、流れ星はいつ落ちるか判らない。だが確実に見る方法は知っているよ」 「我想不是因為閒暇而去研究的吧……不過的確,不知道流星何時會流過。不過有能夠確實地看到它的辦法」
「なんだって? それは本当か? なら教えてくれ」 「你說什麼?那是真的嗎?那就告訴我吧」
「一年に何度か、流れ星が大量に降り注ぐ日があるんだ、その日に見れば一日で十……いや、百の流れ星を見る事が出来るだろう」 「每年都有幾次流星大量流過的日子,只要在那一天觀測的話一天就能夠看到十……不,一百個流星吧。」
 
  ――そうして、僕は魔理沙に流星群が見られる日を教えると、早速その日に魔理沙は霊夢を連れてうちで流星群の鑑賞会を行う事になったのだ。   ——然後,我一把能夠看到流星的日期告訴魔理沙,魔理沙便在那天領着靈夢來我家舉行流星群的鑑賞會了。
  どれぐらい経っただろうか。二人は十五個目の流れ星を数えていた。   不知過了多久。她們兩人已經在數第十五顆流星了。
「凄いぜ! 本当に百個くらい降りそうだな」 「好厲害!感覺真的能流過一百顆呢」
「そろそろ疲れてきたわね」 「漸漸的開始累了呀」
  そんな事は無い、と言って、魔理沙はさらに窓の外の天体ショーに食いついた。   哪有這種事,魔理沙說過後便更加專注於窗外的天體展了。
「あ、十六個目。えーと、呪い呪い呪い」霊夢は呟いた。 「啊,第十六個。哎——咒語咒語咒語」靈夢嘟噥着。
「なんだそれは」 「在說什麼呀」
「流れ星が落ちてくる間に願い事を三回なんて、殆ど無理じゃない。だから願い事を出来るだけ圧縮してみたの」 「想要在流星流過的時候許三次願不是很難做到嘛。所以我儘可能地把願望給壓縮了」
「圧縮し過ぎだぜ。つーか、どういう願い事なんだか……」 「壓縮過頭了吧。再說,你那是許的什麼願呀……」
「呪術系の願い事よ。魔理沙はどういう事をお願いしているの?」 「咒術系的願望呀。魔理沙許的是怎樣的願望呢?」
「ああ、もっと力強い魔法が使いたいぜって」 「哦哦,希望可以使用更加強力的魔法」
  百の流れ星を見ると意気込んでいた二人だったが、流れ星が落ちない空きの時間がちょっとだけ長く続いた後、流れ星の数がよく分からなくなってしまい、その内疲れて二人は寝てしまった。そうして、第一回流星祈願会は幕を閉じたのである。   說是要看完一百個流星的兩個人,由於流星沒有流過的間隙稍久了一點,結果搞不清楚流星的個數,最後累了便睡着了。就這樣,第一回流星祈願會便閉幕了。
 
  ――それから四、五年後の現代。   ——自那以後四、五年的現在。
  僕は思い出の渾天儀を眺めていた。あれから流星祈願会も毎年恒例となり、もう数回行われている。   我注視着回憶的渾天儀。在那之後流星祈願會也成為了每年的例行公事,已經舉行過數回了。
  思えば、第一回の流星祈願会から、魔理沙は星に因んだ魔法を使うようになった気がする。今では魔法の流星と言えば、魔理沙の一番のお得意技だ。さらに、毎年のように流星群の日付を訊きに来ては、一人でも流星を見ているらしい。   回想起來,魔理沙開始使用關於星星的魔法,好像是從第一回流星祈願會起的。現在如果說到魔法的流星的話,那可是魔理沙最為得意的技能。而且,每年都會來詢問流星群的日期,貌似也會獨自觀測流星的樣子。
  魔理沙は天龍に魅入られたのだろうか。それとも、願い事が叶ったのだろうか。   難道魔理沙被天龍所迷住了嗎。還是說,願望實現了呢。
  同じ動きをする星々に逆らい、大きく強く光ってはすぐに消える。時には隕石となって地上まで届き、甚大な被害をもたらす力強さも持つ。そんな流星に何を見ているのだろうか。   逆反於做着同樣運動的星星們,強力地閃耀過後便消逝掉。有時還會成為隕石落到地面,擁有能夠帶來巨大破壞的力量。能從這樣的流星里看出什麼來呢。
「おー、妖怪の渾天儀か。懐かしいな、まだ持っていたのか」 「噢——妖怪的渾天儀呀。好令人懷念,還在你這裏呀」
「ああ、久々に取り出して眺めていた……って、何時の間に店に来てたんだい?」 「嗯嗯,好久沒有拿出來看看了……說來,你什麼時候進來的啊?」
「香霖が夢中になっていて、私が入ってきたのに気付かなかっただけだぜ」 「只是你太入迷了,所以沒察覺到我進來而已哦」
「ちょっと昔を思い出してね……ん!?」 「稍微想起過去的事了……嗯!?」
「どうした?」 「怎麼了?」
  僕は渾天儀に書かれた妖怪の星座を読み取っていた。ここには様々な妖怪が書かれていたが、気になる妖怪の名前を見つけた。それは星座の名前ではなかったが、一際目立って見えた。   我正讀着寫在渾天儀上的妖怪的星座。這裏寫有着各種各樣的妖怪,不過發現了一個很值得在意的名字。雖然不是星座的名字,卻顯得格外醒目。
「……いや何でもない」 「……沒有什麼」
「何でもありそうだな」 「感覺什麼都有呢」
  そうだった。千年以上も昔に月に行ったと言う言い伝えは、実は言い伝えでも何でもなく、妖怪本人の口から聞いた物だ。つまり、その妖怪はまだ幻想郷にいる。幻想郷にいて、未だに幻想郷を裏から牛耳っているのである。   確實如此。千年以前去到月球的傳說,其實根本就不是什麼傳說,而是我聽那妖怪本人親口說的。也就是說,那個妖怪還存在於幻想鄉。在幻想鄉中,至今仍然在背後控制着幻想鄉。
  この渾天儀に、その妖怪の名前が書いてあったのだ。しかも、製作者の名前として書かれていたのだ。   這個渾天儀上,便寫有這個妖怪的名字。而且,還是作為製作者的名字。
「どれどれ? おおそこの文字なら何となく読めるぜ。『著作 八雲……紫』? げげ、渾天儀って、もしかしてあいつが作った道具だったのか?」 「讓我看看?這種文字的話大概我還是能讀的。『著作 八雲……紫』?啥啥,這渾天儀,莫非是那個傢伙做的道具嗎?」
  魔理沙は露骨に嫌な顔をしていたが、僕は妙に納得していた。何故なら、この文字が書かれていた所は星座の名前が書かれていた所である。それに、『制作』ではなく『著作』である。   雖然魔理沙露骨地表現出厭煩的樣子,但我卻微妙地信服了。因為這段文字是注在寫有星座名的地方的。並且,不是「製作」而是「著作」。
「なぁんだ。この道具ってあの厄介な妖怪が作った物じゃん。何だが面白くないな」 「什麼嘛。原來這個道具是那個麻煩的妖怪做的呀。感覺沒什麼意思了呢」
「それだけ彼女は頭が良く、知識も豊富なんだよ。魔理沙も真摯な気持ちで、彼女から学んでみても良いかもね」 「這也就說明她頭腦是如此的聰慧,知識也是如此的豐富啊。魔理沙以真摯的感情向她學習一下也不錯呀」
「やなこったい。それにこの道具を作った程度なら、対して頭が良いとは言えないじゃん」 「才不要呢。而且只是做出這種程度的道具的話,也並不見得有多麼聰明嘛」
「君は謙虚さと推察力が足りないな」 「你真是欠缺謙虛感和推察力啊」
  八雲紫はこの渾天儀を作った妖怪、と言う意味ではない。恐らく渾天儀に書かれた妖怪の星座の著者、つまり、星座を作った物と言う意味だと思う。   八雲紫是做了這個道具的妖怪,我並不是這個意思。而是說她恐怕是渾天儀上寫有的妖怪的星座的著者,即是星座的作者。
  そんな人物が未だに活動している幻想郷。今まではるかに長い寿命を持つ妖怪の力を軽んじてみていたが、そう考えると薄ら寒い気持ちになった。   這種人物如今仍然活躍於幻想鄉。想到從前都一直輕視了擁有漫長壽命的妖怪的力量,便不由地感到背後有一股寒氣。
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