東方求聞口授/第三部
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第三部 |
第三部 | |
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神子 |
古典的な妖怪と言えば、天狗とか河童とかですね。昔は山や沼といった所には必ず居たもんです。 |
|
—— |
今もいっぱい居るがな。 |
如今好像也有不少呢。 |
神奈子 |
幻想郷にはね。もっとも、昔の天狗や河童と大分違うものになってしまっているけど。 |
幻想鄉里也是呢。不過吧,這個幻想鄉里的天狗和河童,和以前的天狗河童已經大不一樣了。 |
神子 |
ビックリしました。まさか天狗が高度な社会を築いていたり、河童が高度な文明を持っていたり……。同じ名前の妖怪だけど、全く別物みたい。 |
還真把我嚇了一跳。沒想到天狗們竟然構築起了高度發達的社會、而河童們也擁有非常先進的文明……明明有着相同名字的妖怪,看起來卻像完全不同的兩個物種。 |
白蓮 |
そうですねぇ。天狗は、昔は道を誤った修行僧のなれの果てだ、と言い伝えられていましたが。 |
是啊是啊。雖然說是傳說中的天狗,其實就是以前那些誤入歧途走火入魔的修行僧們變來的。 |
神子 |
じゃあ、貴方も天狗になるのかしら? |
那這麼說,你也能變成天狗嘍? |
白蓮 |
私は道を誤ってません。むしろ貴方の方が天狗に近い存在だと思います。 |
我是不會誤入歧途的。我倒是覺得你更像天狗呢。 |
神子 |
ほう? |
哦? |
[天狗の今と昔] |
[天狗的今與昔] | |
白蓮 |
天狗は山に住むとされ、色々な怪異を起こしたりします。最初は人間に被害を与えるだけの存在だったのでしょう。 |
天狗居住在山上,經常引起些詭異的事情。最早的時候它們只是讓人類遭受損失的存在而已。 |
神子 |
石を降らせたり、赤子を攫ったり、不気味な音で脅かしたり……。 |
又朝人扔石頭、又偷人家的小寶寶、還發出些瘮人的聲響…… |
白蓮 |
それが仏教が伝わり修験道が始まると、天狗が山岳信仰の対象とされる様になります。山に篭もって修行する修験道の山伏を手助けしたり、逆に邪魔したりする精霊のような存在です。厳しい修行を行う山伏(*1)は一般の人間から見て天狗と区別が付かず、次第に同一視されるようになっていきました。その為、今の天狗たちも山伏のような格好をしているのでしょう。 |
後來隨着佛教的傳入和修驗道的流行,天狗成為了山嶽信仰的對象。它們有的時候會幫助在深山裏閉關苦修的山伏,有的時候也會搗亂,就仿佛精靈一般。經過嚴格修行的山伏(*1)在一般人看來和天狗沒什麼區別,逐漸就被視作一回事兒了。正因為如此,如今的天狗們也作山伏的打扮。 |
—— |
詳しいな。 |
知道的挺詳細啊。 |
白蓮 |
妖怪学に関しては専門ですから。優れた修験者は仙人と呼ばれる事もありましたから、もちろん仙人化した天狗もいたかと思います。 |
和妖怪學相關的話我是專家啊。優秀的修驗者曾被人們稱作仙人,當然我認為也會有仙人化的天狗。 |
—— |
確かに、今の天狗にも仙人っぽい奴も居るみたいだな。 |
確實,現如今的天狗中也有些看着像仙人的主兒。 |
白蓮 |
ちなみに人間がよく想像する鼻が高い天狗が定着したのは、江戸時代くらいだったそうです。山伏が修行や祭事の際に着けていたお面のイメージから来ていると思われます。 |
順帶一提,人們印象中那個有着長鼻子的天狗的經典形象,是從江戶時代開始的。我想這個形象時來自於山伏在修行和祭祀時總要帶着的那個面具。 |
神子 |
鼻の高い天狗って幻想郷にも居るのかしら? なんか鴉天狗ばっかり見るわ。 |
幻想鄉里有鼻子長長的天狗嘛?感覺見到的都是些鴉天狗。 |
神奈子 |
鴉天狗は新聞記者兼配達員なので、麓に下りてくるのはそればっかりですが、実は山奥には他の天狗も沢山居ますよ? 鼻高天狗は事務員なんで、殆ど外には出てこないようですが。 |
鴉天狗都是些新聞記者和送貨員,在山腰以下附近活動的基本上都是它們。其實在山的深處別種的天狗還有很多很多哦,鼻高天狗主要都是些辦公人員,好像不怎麼跑外勤。 |
神子 |
それも変な話ね。 |
真奇怪。 |
神奈子 |
え? 何がですか? |
誒?怎麼奇怪了? |
神子 |
鼻の高い天狗のイメージの根底って、猿田彦(*2)のイメージなんでしょう? 猿田彦と言えば道案内の神ですし、さらに言えば道祖神(*3)と同一視される位なんだから、表に出て働かなきゃいけないんじゃないの? |
鼻高天狗的形象,歸根結底是來自於猿田彥(*2)吧?說起猿田彥,他是給人帶路的神明啊,而且他還經常和道祖神(*3)被視為一回事,這樣的神明不出來好好工作能行嗎? |
白蓮 |
確かに……。 |
的確…… |
神奈子 |
どうやら鼻高天狗の最近の仕事は、地図を作るのがメインらしいですよ? 最終的に自分が表に出なくても道案内出来るシステムを構築するのが理想とか。GPS(*4)とか何とか言ってました。 |
鼻高天狗最近的工作吧,好像主要是製作地圖?他們的理想就是構築一個最終都不需要他們去跑外勤就能給人帶路的系統。好像是叫GPS(*4)還是叫什麼來着。 |
神子 |
横着な猿田彦だこと(笑)。 |
偷奸耍滑版的猿田彥(笑)。 |
白蓮 |
まあ、猿田彦本人じゃなくて、あくまで天狗が猿田彦と同一視されて真似しているだけですからそんな物かも知れませんね。 |
嘛,畢竟不是猿田彥本人,有可能只是天狗們的舉動讓人們不禁把天狗和猿田彥當成一回事了而已。 |
神奈子 |
本物の猿田彦に謝れと。 |
得向真正的猿田彥道歉呀。 |
—— |
で、天狗は色んなイメージを植え付けられたから今みたいな姿になったという訳か? |
也就是說,天狗被賦予的各種各樣的形象,造就了今日天狗的姿態嗎? |
白蓮 |
そう……いや、江戸時代まではそうでした。しかし今は、色んなイメージの集合体、とはちょっと違うかも知れませんね。 |
是吧……不,江戶時代之前的確是這樣。可如今,把它們比作各種形象的集合體可能有點不恰當。 |
—— |
ほう。 |
哦。 |
白蓮 |
昔の天狗は山伏の修行の手助けをしたり、祭りなどで先導役として出てくる事もありました。それが文明開化による民話の迷信化、無宗教化による修験道の衰退、闇を畏れなくなった人心と共に忘れ去られてしまいます。人間と共に活動していた天狗は次第に表に出なくなってしまうのです。それが原因で、妖怪達の存在が危うくなりました。天狗に限らず全ての妖怪が……。 |
以前的天狗既幫助山伏的修行,也負責祭祀時的先導工作。而隨着文明的不斷開化,民間傳說的迷信化,還有無宗教化帶來的修驗道的衰退,人心也越來越不畏懼黑暗,天狗們也慢慢地被忘卻了。本來和人類一同活動的天狗們逐漸退出了歷史舞台。這個才是造成妖怪們的瀕危處境的原因。不僅限於天狗而是所有妖怪…… |
神子 |
その危機を救う為に、幻想郷は隔離された世界になった、という訳ね。 |
而為了將它們從這個危機中解救出來,才有了幻想鄉這個與世隔絕的地方,對吧。 |
白蓮 |
そうですね、その時に居た訳では無いのでどのようにしてそこに至った(*5)のかまでは判りませんが……幻想郷が今の形になって人間の想像の呪縛から解き放たれ、ついに妖怪達は真の自由を得たのです。元々姿形の定まらない彼らは独自の進化を歩む事になりました。どういう変化があったのかは窺い知れませんが、元々天狗は上下関係の厳しい妖怪でしたので今のような社会を築くまでになったのでしょう。 |
沒錯,雖然當時幻想鄉里還不可能有他們,也不知道它們是如何到達這裏的(*5)……幻想鄉最終發整成了今天這副模樣,讓妖怪們從人類想像的枷鎖中解放出來,獲得了真正的自由。原本沒有確定形態的它們也能逐步走上獨自進化的道路。雖然不知道這其中究竟發生了怎樣的變化,不過天狗本來就是上下關係十分嚴格的妖怪,所以才能構築起今天這樣森嚴的社會吧。 |
—— |
なる程なぁ。つまり纏めると、昔の妖怪は人間の想像に影響されて姿を変え、今の妖怪は独自に変化した、という事なのか? |
原來如此。總而言之,以前的妖怪會受到人類想像的影響而改變姿態,如今的妖怪則是自己進化,對嗎? |
白蓮 |
そうだと思います。だから今の妖怪は多様性があるのです。 |
我是這麼認為的。所以才有了現在妖怪的多樣性。 |
[生まれては消える妖怪] |
[出生便會消失的妖怪] | |
神子 |
うーん、ちょっと待って。私が考えるに、今の妖怪はそれだけでは無いと思いますよ。 |
嗯——,稍等一下。我怎麼覺得,現在的妖怪並不僅僅是你說的那樣。 |
—— |
というと? |
此話怎講? |
神子 |
今も人間の想像から生まれる妖怪もいる筈です。妖怪の成り立ちから考えて、理不尽さを自己完結させる手段として生まれた……つまり最初から架空である事を前提とした妖怪が居て当然。 |
意思是說現在也會有從人類的想像中誕生的妖怪。從妖怪產生的角度考慮,妖怪產生於為了自我了斷那些無法理清的事情而採取的手段……也就是說有以最初就不存在的事情為前提的妖怪存在這是理所應當的。 |
白蓮 |
なる程。存在しない事が明白な存在、としての妖怪……ね? |
原來如此。明確是不存在的存在,這樣的妖怪……呢? |
神奈子 |
神子さんは流石に人間の心理に詳しいわね。当然そういう妖怪もいます。例えば「妖怪リモコン隠し」とか。 |
不愧是神子,真了解人類的心理呢。這種妖怪當然有,比如說「藏遙控器妖怪」之類的。 |
—— |
妖怪リモコン隠し? |
藏遙控器妖怪? |
神奈子 |
よく使うのに、何故かすぐどこに行ったか判らなくなってしまう現象を、妖怪の仕業にしたタイプです。 |
遙控器明明經常用,為什麼一轉眼就不知道跑哪兒去了這種現象,歸結到妖怪的作為。 |
一同 |
リモコンって何? |
遙控器是什麼啊? |
神奈子 |
あ、いや。まあ、ちっさな道具(*6)です。もっとわかりやすい例としては、例えば睡魔の様な妖怪もいますね。 |
啊,不是。嘛,是個小小的道具(*6)。舉個更好理解的例子吧,比如說像睡魔一樣的妖怪。 |
白蓮 |
寝てはいけない時ほど眠くなるという、あれですね? |
就是不能睡的時候偏偏非常困的那個嗎? |
神奈子 |
そう、この手の妖怪は毎日のように外の世界で生み出されています。その都度、幻想郷でも生まれたりしています。 |
沒錯,像這類妖怪基本上每天都會從外面的世界誕生出來。而隨後,也在幻想鄉里誕生了出來。 |
白蓮 |
でも、自我が保てるほど内容が確定していないから、生まれてすぐに消えてしまう。その辺が忘れられてから独自に進化する古典的な妖怪との差、でしょう。 |
然而,它們因為沒有足夠的確定內容可以保持自己的存在,所以誕生之後馬上就消失了。這就是它們和那些即便被忘卻也能獨自進化的古典妖怪的差距吧。 |
神奈子 |
どうしても他愛の無いいたずら妖怪(*7)ばかりですからね(笑)。有名どころでも誰かがパンを落とした時、バターを塗った面を下にする妖怪とか、探し物を必ず一番見つかりにくい場所に隠す妖怪とか、戦地で結婚すると言うと必ず戦死させる妖怪とか。 |
誰讓它們淨是些調皮搗蛋的害人妖怪(*7)呢(笑)。比較有名的比如讓掉在地上的麵包總是塗了醬的一面着地的妖怪,讓想找的東西變得總是最難找的妖怪,還有讓在戰場上說回老家結婚的人絕對領便當的妖怪。 |
—— |
ちょっ、最後のは他愛の無いいたずらじゃ無いと思うぜ(汗)。 |
等等,我覺得最後那個不只是調皮搗蛋的程度了吧。(汗) |
[命蓮寺の妖怪] |
[命蓮寺的妖怪] | |
神子 |
昔は不都合な事とか不思議な事が起きた時は既存の妖怪の所為にしてました。それにより妖怪が成長や変化を繰り返して来たのです。今の幻想郷にいる妖怪は、本を正せば殆どがそれでしょう。 |
從前有不好的事情還有不可思議的事情發生,便是已有的妖怪幹的好事。然後這些事情又會使妖怪們成長,如此循環。現在幻想鄉里的妖怪,歸根結底都是這一類吧。 |
神奈子 |
その中でも貴方のお寺にいる妖怪達はまだ古典的な妖怪の部類よね? |
這其中你那寺里的妖怪們也都屬於比較古典的妖怪種類吧? |
白蓮 |
そう、ですね。傘が自我を持った付喪神(*8)、陸に上がった舟幽霊(*9)、大声自慢の山彦(*10)、それからえーっと、大入道を使う入道使い(*11)……後は――。 |
是,吧。傘有了自我意識而成了付喪神(*8)、跑到陸地上的船幽靈(*9)、以大嗓門自傲的山彥(*10),嗯還有那個、驅使大入道的入道使(*11)……然後是—— |
神子 |
うーん。 |
嗯—— |
神奈子 |
ま、結構古典的な妖怪の方じゃないかしら? |
嘛,這不都是些古典的妖怪嗎? |
白蓮 |
よかった。 |
太好啦。 |
—— |
何が? |
好什麼? |
白蓮 |
古典的ならばみんな消えなくて済むでしょう? |
大家都很古典的話,不就不會消失了嗎? |
—— |
そうか、みんなが忘れれば存在を消す事が出来るだったっけ? ふむふむ。今日から茗荷料理(*12)……でも振舞うとするか。 |
這樣啊,是說只要被大家忘記的話就會消失麼?嗯嗯。那麼打今天起請大家吃茗荷料理(*12)……好了。 |
白蓮 |
だから、幻想郷に居る限り古典的な妖怪は簡単には消えないと……。 |
都說了,已經在幻想鄉里的古典妖怪是不會那麼輕易消失的…… |
—— |
チッ。 |
嘁。 |
神奈子 |
そう言えば山彦なんですけど、最近変な物に凝っていないかしら? |
話說那個山彥啊,最近有沒有在沉迷一些不好的東西? |
白蓮 |
え? |
誒? |
神奈子 |
ちょっと前まで大声でお経を唱えていて――それはそれで迷惑でしたが、最近は夜になると、とてもお経とは思えないような不思議な奇声が聞こえて来るんだけど。 |
不久前她還在大聲地誦着經——這本來就夠吵的了,可最近一到夜裏,總能聽到她發出根本不像誦經的怪聲。 |
白蓮 |
不思議な奇声……あの子はおうむ返しするだけが能なんですが。誰かの奇声を真似してるのかしら? |
不可思議的怪聲……那孩子只擅長鸚鵡學舌啊。會不會是模仿誰發出的怪聲呢? |
神奈子 |
何でしょう……聞くに堪えない断末魔の様な声が。 |
像什麼呢……就像臨終前的慘叫一樣慘不忍聽的聲音。 |
—— |
ああ、響子の話か。あいつ、最近たちの悪い妖怪と連んで夜な夜な何かして居るみたいだぜ。妖怪パンクライブ(*13)とか言っていたな。 |
啊啊,關於那個響子啊。那傢伙最近和個不正經的壞妖怪整夜整夜在一起呀。好像搞一個叫什麼妖怪朋克音樂會(*13)。 |
神奈子 |
ライブ? パンク? |
音樂會?朋克? |
白蓮 |
あらあの子に、そんな不良仲間が出来て居たのね。人様に迷惑を掛けるなんて、修行中の僧侶としては失格だわ。お仕置きしないといけないわねぇ。で、そのたちの悪い妖怪って……? |
啊啦那孩子,居然交了個這麼不良的朋友呢。竟然給周圍的人帶來困擾,作為修行中的僧侶真是不合格啊。看來不好好處置一下不行呢。話說,那個壞妖怪是…… |
—— |
ああ、夜雀のミスティアという奴だ。そいつも一緒にしばいてやってくれ。うるさいから。眠れないから。 |
啊啊,一隻叫米斯蒂婭的夜雀。捎帶着她一塊兒收拾了吧。實在是太吵。沒法睡覺都。 |
白蓮 |
判りました。見つけ次第、目一杯しばいておきましょう(笑) |
我知道了。等下次看見了,我絕對饒不了她(笑)。 |
神奈子 |
ライブ……あれって歌だったのね……。もっと音程取る練習した方が良さそうね。あれじゃあ客もどん引きよねぇ。 |
音樂會……那原來是在唱歌啊……,還是練練怎麼不跑調吧。唱成那樣誰會聽啊。 |
神子 |
そっちの問題!? |
是這個問題嗎!? |
白蓮 |
そうねぇ。お経を読むにしても音程やリズム感って大切なのよ。読経って心地よいでしょう? アレって相当練習しないといけないの。 |
是啊。對於誦經來說音程和節奏感也很重要哦。聽念經讓人感覺很舒服吧?沒有相當程度的練習是做不到的。 |
—— |
今度から妖怪読経ライブになってそうだな(汗)。 |
看來下次該是妖怪誦經音樂會了(汗)。 |
[妖怪に修行ができるのか] |
[妖怪可以修行嗎] | |
神子 |
気になっていたけんだけど[1]、命蓮寺の妖怪ってどういう修行をしているの? |
有件事我很在意,命蓮寺的妖怪究竟在進行怎樣的修行呢? |
白蓮 |
ええーとですね。仏教の基本に |
誒誒——我想想。佛教基本上有着稱作六波羅蜜的六種修行[2]…… |
神子 |
あ、知ってる知ってる。布施、持戒、 |
啊、我知道我知道。布施、持戒、忍辱、精進……我想想。 |
白蓮 |
あとは禅定、智恵、です。そう言えば神子さんは昔仏教をやってたんですもんね。 |
還有禪定和智慧。話說神子以前也鑽研過佛教呢。 |
神子 |
表向きはね。いやぁ仏教は人心を掌握するのに最適だったわー。 |
表面上是這樣。哎呀佛教用來掌控人心真是再合適不過了—— |
白蓮 |
……その話は後で聞きましょう。 |
……這個咱們回頭再說吧。 |
—— |
ちょっと説明してくれないか? 六なんとかっての。 |
能不能稍微說明一下呢?六什麼什麼蜜。 |
白蓮 |
六波羅蜜ですね。「布施」というのは物を施す事です。 |
六波羅蜜啊。「布施」就是指施捨東西。 |
—— |
お寺の妖怪達に何か貰ったことあったっけ? |
我怎麼不記得從寺里妖怪們那裏拿到過啥東西? |
白蓮 |
これに関しては |
這個講究的是無畏施,也就是說,將沒有恐懼的生活作為施捨。我們寺里的妖怪們正在實踐這個。 |
—— |
結構攻撃されたけどな。この前。 |
可沒少被它們攻擊啊。不久前。 |
白蓮 |
まぁ修行中ですので少し大目に……。次に「持戒」ですが、これは殺生しない、盗まない、不倫をしない、嘘を言わない、酒を飲まない、という戒めを守る事です。 |
嘛因為還都在修行中嘛,多少寬容一點……然後是「持戒」,指遵守不殺生、不偷竊、不淫邪、不妄語、不飲酒這五條戒律。 |
—— |
だから殺す気で攻撃されたけどな。この前。 |
都說了他們是像要殺了我一樣的攻擊啊。不久前。 |
白蓮 |
……「忍辱」は他から与えられる屈辱や苦痛に耐える事。「精進」は修行を続ける努力をする事。 |
……「忍辱」呢則指要忍受別人給你的屈辱和痛苦。「精進」是指持續不斷地努力修行。 |
—— |
そんなもん、みんなやっているぜ、仕方が無くだが。 |
這兩樣,大家都在做啊,也沒辦法。 |
白蓮 |
「禅定」は心を安定させ、迷いを断つ事。「智恵」は真理を見極める事です。 |
「禪定」是說讓心安定,斬斷迷惘。「智慧」是指把握真理。 |
神奈子 |
最後の二つはえらく抽象的ね。 |
最後兩條可真抽象啊。 |
白蓮 |
でも、皆が思い浮かべる修行っていうと、坐禅や滝行ばかりだと思いますが、それら判りやすい修行の殆どが、最後の二つになります。 |
不過,大家腦中浮現的修行景象,總是坐禪啊或者蹲瀑布啊這種,其實這種比較通俗易懂的修行,正是在修最後這兩樣。 |
—— |
あいつ等、そんな修行を行っているようには見えんがな。みんな宴会でよく見るような気もするぜ。獣肉で酒飲んでいる姿が記憶にあるし……。 |
那幫傢伙,我可從來沒見過它們進行過這樣的修行。倒是經常在宴會上看到它們呢。就着獸肉喝酒的樣子我記得清清楚楚…… |
白蓮 |
……頭の片隅に止めておきましょう。 |
……請把它們封存在記憶的深處吧。 |
神子 |
そうねぇ、私も宴会している入道を見たわ。他にも頭蓋骨を使って傘回しして稼いでいる傘のお化けとか。 |
是啊,我也在宴會上看到那個入道了。還有那個把骷髏頭放在傘上轉着玩的傘妖。 |
神奈子 |
三途の川の渡し船に水を入れている舟幽霊とか。 |
還有往人家三途之河的渡船里灌水的船幽靈。 |
白蓮 |
え? 渡しの知らないところで一体何を……? |
誒?在我不知道的地方究竟發生了什麼……? |
—— |
やっぱり、妖怪は妖怪だな。 |
果然,妖怪就是妖怪啊。 |
[入門を拒否される妖怪] |
[被拒之於佛門外的妖怪] | |
神子 |
ねぇねぇ、さっきお寺に入門してる妖怪は人様に迷惑掛けちゃいけないって言ってたけど、それって妖怪によっては没個性に成りかねないんじゃない? |
對了對了,剛才不是說到寺里的妖怪弟子不能給人添麻煩嗎,那樣一來,妖怪們豈不是變得毫無個性了嗎? |
白蓮 |
そうかしら? |
會嗎? |
神子 |
だって、殆どの妖怪が人間の敵として生まれたんだから、迷惑を掛けないようにすると何も残らなくなるんじゃない。 |
你看,大部分妖怪都是作為人類的敵人而誕生的,如果讓它們不去找人類的麻煩,那還剩下什麼呢? |
白蓮 |
んー、そこを乗り越えるのが修行を行う意味なのですが……でも確かに乗り越えられない妖怪も居ますね。つい最近も入門をお断りした妖怪が居まして……。 |
嗯——,我覺得超越這一點才是修行的意義所在吧……不過也的確有超越不了這個的妖怪。就在不久前,還有被我拒絕皈依佛門的妖怪呢…… |
—— |
ほう、初耳だな。どんな妖怪でも入門OKって訳じゃないんだな。で、何処の何奴だ? |
哦,第一次聽說。原來不是什麼樣的妖怪都可以隨便出家啊。話說,是哪兒的什麼人啊? |
白蓮 |
土蜘蛛の黒谷ヤマメさんと、火車のお燐(*14)さんとか、地底から来た妖怪達ですね。 |
|
神奈子 |
え? 貴方のお寺にいる妖怪って殆ど地底にいた奴らでしょう? |
誒?你寺里妖怪基本上不都是地底的嗎? |
白蓮 |
そうですが、それは不当な理由で封印されていた者達ですから……。本来は地上にいる筈の妖怪なんです。地底に居る妖怪ではないんです。 |
話雖這麼說,它們都是些因為不正當的理由被封印起來的妖怪……本來都應該是在地上生活的,並不是在地底生活的妖怪。 |
神奈子 |
何か違うの? |
有什麼區別嗎? |
白蓮 |
今、地底にいる妖怪の殆どが、地底に棲む事を望んで居ます。表の幻想郷のルールとは異なり、管理されなくなった旧地獄を乗っ取り、無法地帯を楽しんでいるのです。まさに力が正義の世界ですので、一応ルールのあるお寺の妖怪とは判り合えないのです。 |
現在,地底的妖怪們大部分都希望生活在地底。和地面上規規矩矩的幻想鄉不同,它們佔據無人管理的舊地獄,享受着無法無天的生活呢。那種力量至上的世界,和清規戒律的寺廟妖怪當然是合不來的。 |
—— |
力が正義……確かにそんな感じだったなぁ。地底は大変だった。 |
力量至上……的確給人這種感覺呢。地底也真是夠要命的。 |
白蓮 |
先ほど言った土蜘蛛のヤマメさんは「お寺に来る悩みを持った人間が美味しそうだから(*15)」が入門の理由でしたし、お燐さんは「お寺はお墓がいっぱい有って死体天国だから」でした。これでは断るしか無いですよね(笑)。 |
剛才提到的土蜘蛛的山女以「因為帶着苦惱來寺里的人類看起來很好吃(*15)」作為皈依我佛的理由,而阿燐則是「寺廟有很多很多墓那不是屍體天國嗎」。這除了拒絕別無他法啊(笑)。 |
神子 |
ですねぇ(笑)。 |
說的是啊(笑)。 |
(*1)修験道の修行者。ふっさふっさの毛玉を首から提げ、法螺貝を吹いて演奏する山岳音楽団の一員。 |
(*1)修驗道的行者,腦袋兩邊掛着毛茸茸的小球,吹奏法螺貝,是山嶽音樂團的一員。 | |
(*2)日本神話に出てくる神様。背が高く、鼻も高いと評判なところからイケメンかと思われるが、目が赤く輝いているのが玉に瑕。 |
(*2)在日本神話中出現的神明。雖然從身材高大、鼻子長長來看可能是個一帥哥,美中不足的是眼睛閃閃的冒紅光。 | |
(*3)道を通じて悪神や病気などが入ってくるのを防ぐ神様。殆どの人間にお地蔵さんと区別が付けて貰えず、アイデンティティの崩壊に悩む。 |
(*3)阻礙惡神和疫病的進入途徑的神明。人類不怎麼把他和地藏區分開來,身份的崩壞讓他很苦惱。 | |
(*4)ごっつい[3]・ポジショニング・システム。 |
(*4)Great·Positioning·System(強大的·定位·系統)。 | |
(*5)幻想郷の起源はまだ新しく、外の世界でいう明治時代である。幻想郷の多くの妖怪はその時代から生きていることになるが、当然人間にはその時代を知っている者は居ない。 |
(*5)幻想鄉的起源很晚,用外面世界的話說就是明治時代。幻想鄉大部分妖怪都是從哪個時代過來的,當然人類是不可能知道那個時代的。 | |
(*6)リモコンとは下駄の事らしいです。余り無くさない気もしますが。 |
(*6)遙控器好像是一種木屐[4]。感覺好像不會弄丟啊。 | |
(*7)そういうミニ妖怪を纏めて、マーフィーの妖怪と呼ぶそうです。 |
(*7)這種迷你妖怪統稱叫做Murphy妖怪[5]。 | |
(*8)多々良小傘。不明。 |
(*8)多多良小傘。不明。 | |
(*9)村紗水蜜。普通の妖怪。 |
(*9)村紗水蜜。普通妖怪。 | |
(*10)幽谷響子。うるさい妖怪。 |
(*10)幽谷響子。很吵的妖怪。 | |
(*11)雲居一輪。普通の妖怪。 |
(*11)雲居一輪。普通妖怪。 | |
(*12)食べると何もかも忘れる恐怖料理。大変美味。 |
(*12)吃了就會忘記一切的恐怖料理[6]。美味的不得了。 | |
(*13)私は結構好きです。魂の叫びです。 |
(*13)我還是挺喜歡的。發自靈魂的吶喊啊。 | |
(*14)火焔猫燐。不吉な猫 |
(*14)火焰貓燐。不吉利的貓 | |
(*15)人間を病気にして食べるのには意味がある。病気は調味料で味付けだからだ。精神病はスパイシー。 |
(*15)將人類染病後吃掉是有其意義的。疾病就好像是調味品。精神疾病是辣味的。 |
註解
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