• 欢迎光临中文版东方维基
  • 您目前还未登录,请点此登录后进行编辑。
    如果您还没有在东方维基注册,请点此注册
  • 如果您想要注册账号,请联络KyoriAsh或前往Discord频道以取得新账号

東方文花帖 (書籍)/幻想的音覺

出自东方维基
跳至導覽 跳至搜尋

欄目介紹

第20頁
< 霧雨魔理沙   東方文花帖   十六夜咲夜 >
美味しそうな料理を見ると、例えそれが写真でも味や匂いまで感じられる気がする。味覚も嗅覚も脳が見せる感覚である以上、想像から起こる感覚というのも嘘の感覚というのも嘘の感覚ではない。 若是看到了好吃的飯菜的話,就算那是照片上的東西你都會覺得好像能聞到或品嘗到它的味道似的。既然味覺與嗅覺是通過大腦產生的感覺,那麼憑藉想像產生出來的感覺也就不能說是虛假的了。
それを考えると音楽は音だけで出来ている物では無くなる。音楽によって世界を彩る事もあれば、反対に音楽によって記憶を呼び戻される事もある。その感覚は音楽を語る上で必要不可欠だ。決して思い込みの類ではない幻想の感覚、そう、それが幻覚である。 如果這樣考慮的話,音樂也就不是僅僅由聲音構成的東西了。音樂既能點綴世界,有時又能喚回記憶。在談論音樂時,這種感覺可以說是必不可缺少的東西。這種絕非是固執己見的、幻想的感覺,不錯,就是幻覺了。
今記事では、私にとって幻覚度の高い思い入れのある曲をいくつか思い出して書いてみた。私が幻覚を懐かしむだけの駄文である。 這次我回憶起幾首對於我個人來說幻覺度很高、製作時很投入的曲子來寫了曲評。就算是我懷念着幻覺隨隨便便寫的東西吧。
(博麗 神主) 博麗神主

上海紅茶館 ~ 中國茶

第22頁
< 十六夜咲夜   東方文花帖   蓬萊山輝夜 >
上海紅茶館 ~ Chinese Tea
(『東方紅魔郷』『夢違科学世紀』収録曲)
上海紅茶館 ~ 中國茶
(《東方紅魔鄉》《夢違科學世紀》收錄曲)
この曲は、重く暗くなりがちなシューティングの曲を、どうにかして元気が出て爽やかな感じを出せないかと四苦八苦した曲です。シューティングでも格好いい曲もポップな曲もダンスミュージックも数あれど、元気の出る曲となると案外少ないと思います。 為了能讓氣氛總是沉重又灰暗的射擊遊戲的曲子有一點兒清爽明快的感覺,作這首曲子時可讓我吃了不少苦頭。射擊遊戲裏既有帥氣的曲子又有諸如流行曲或是舞曲之類的曲子,不過明快些的曲子我覺得倒是意外地少。
この曲を聴くと、陰のない東方の幻想の空を彷彿させ、あたかも目の前に桃源郷が現れたかの幻覚を見せる。ちなみに何で上海紅茶館という曲名かというと、紅魔郷は開発当初は東方紅茶館というタイトルだったから。この曲は印象的な曲になると思っていたので、ゲームのタイトルを曲名に使いました。ストーリーが固まったらゲームのタイトルが変わっちゃったけど。 一聽這首曲子,腦中仿佛就會出現沒有陰雲的東方幻想天空的景象,眼前也會浮現出如桃園鄉美景般的幻覺。另外,說起為什麼要用上海紅茶館給曲子命名,那是因為紅魔鄉在當初開發的時候題目定的是東方紅茶館。我想讓這首曲子成為主印象曲所以就用遊戲的題目給曲子命名了。只是後來故事情節固定下來後遊戲的題目就換了。

人偶之森

第26頁
< 八意永琳   東方文花帖   愛麗絲·瑪格特羅伊德 >
人形の森
(『蓬莱人形』収録曲)
人偶之森
(《蓬萊人形》收錄曲)
新しい自分発見という感じで、ちょっと違う自分を見せようとしている感じの曲。イントロだけ聴くと煙草が似合うダンディさすら感じられるけど、サビでいつも通りになるという何とも自分らしい曲。 這首曲子有一種,發現了新的自我,並想要把和平時有所不同的自我表現出來的感覺。如果只聽曲子的導入部分的話,甚至會有一種吸着香煙的帥氣的感覺,不過到了高潮部分就會恢復一貫的風格了。這曲子很有我的風格。
確かにこの時は渋い曲を作ろうと思って書いた記憶がある。この曲はもう一度書き直せば、かなり格好いい曲になる予感がする。でも面倒なのでいいや。 我確實記得寫這首曲子時曾想讓它的風格隱晦一些。如果讓我重新寫一遍的話,我預感它肯定會成為一首很帥氣的曲子的。不過重寫一遍太麻煩了還是算了吧。
この曲が見せる幻想は、雨が静かに降る街。そう、珍しく人間の存在を幻視出来る曲だと思う。人形の森と言うタイトルも、おそらく荒廃した人間の街をイメージした物だろう。昔の自分の事なので確実では無いですが……。 這首曲子所表現出來的幻想,就是街道上靜悄悄地落着雨的感覺。不錯,我想這是首很少見的可以幻視到人類氣息的曲子。人偶森林這個題目,恐怕也是有一種荒廢了的人類城市的印象在裏面吧。因為這是我過去寫的了所以我也不好確定……

走在夜晚的蓮台野

第40頁
< 魂魄妖夢   東方文花帖   八雲紫 >
夜のデンデラ野を逝く
(『蓮台野夜行』収録曲)
走在夜晚的蓮台野
(《蓮台野夜行》收錄曲)
不気味な曲から徐々に勇ましい曲へと、そういったイメージで書いた曲。真夜中の墓場に肝試しに行くイメージなんですよね。ただその肝試しは只の肝試しではない。冥界との交流を本気で考える者の肝試しなんです。言うなればイタコのように……。 從陰森森的曲風逐漸轉變為活潑而生氣勃勃的風格,這首曲子給人這麼一種印象。也像是在黑夜中墓場舉行試膽大會時的感覺一般呢。只不過,這不僅僅只是單純的試膽大會。是那些真心想和冥界取得交流的一群人之間的試膽大會。真要說的話就如潮來[1]一般……
この曲を聴くと、勇ましい割には可愛らしいサビが印象的で、墓石が無い墓場で踊っている不思議な少女を幻覚する。そう考えると、イントロの幽霊音(勝手に命名)も可愛く聞こえてくる。 在聆聽這首曲子的時候,你會覺得高潮部分比起活潑的感覺說是可愛更適合用來形容,而且這段給人的印象,就如同出現了在沒有墓碑的墓地獨自起舞的不可思議的少女的幻覺。這麼一想的話,序奏部分的幽靈音(擅自命名的)聽起來也變得可愛了呢。
ヒュードロドロで有名な幽霊音ですが、私のイメージではこんな感じですね。幽霊の音は雨の中に直截響く感じ。 「咻——咚咚」雖然是一種有名的幽靈音,但在我的印象里卻是這麼一種感覺,幽靈的聲音直接在腦海中迴響的這種感覺。

獻給已逝公主的七重奏

第48頁
< 蕾米莉亞·斯卡蕾特   東方文花帖   三月精 >
亡き王女の為のセプテット
(『東方紅魔郷』収録曲)
獻給已逝公主的七重奏
(《東方紅魔鄉》收錄曲)
盛り上げよう盛り上げようと頑張った曲です。この曲はテーマであるレミリア・スカーレットだけをイメージした物です。不思議なことに、ゲームが終盤に向かえば向かうほど、曲が持つ対象物は狭く小さな物になっていく。しかしながら、どんどんと深くもなっていく。 想讓情緒高漲,再高漲而努力作出的曲子。單純為了塑造身為主題人物的蕾米莉亞·斯卡蕾特而作的。不可思議的是,遊戲越接近終盤,曲子要表達的對象卻越變得狹小,但與此同時,意境也越發深沉了。
この曲は、私にゲームの幻覚を見せる。幻覚のゲームを遊んでいる感じを曲が与えてくれる。ジャンルなど無い、何だか判らないけど何かのゲームを遊んでいる幻覚。 這首曲子讓我看到了遊戲的幻覺。給人以正在玩着幻想的遊戲的感覺。不知道遊戲的類型,也不知道是為什麼,但,就是有正在玩着什麼遊戲的幻覺。
サビ後半のピアノは特にお気に入り。作曲中どんどんとテンションが上がってラストは勢いに任せてといった感じ。そんなんで良いのか? 特別喜歡變奏階段後半的鋼琴旋律。在作曲時情緒也漸漸昂揚起來,有了「最後的部分就這樣一氣呵成吧!」的感覺,這樣可以嗎?

魔術師梅莉

第54頁
< 芙蘭朵露·斯卡蕾特   東方文花帖   上白澤慧音 >
魔術師メリー
(『蓮台野夜行』収録曲)
魔術師梅莉
(《蓮台野夜行》收錄曲)
秘封倶楽部の一人、メリーの曲を用意しようと考えて作曲した物。別にメリーは魔術師では無いのですが、そういう曲を用意しようと考えていた事が良く判ります。 為秘封俱樂部的成員之一,梅莉準備的曲子。雖然梅莉她本人不是什麼魔法師,不過我清楚的記得當初就是想要給她準備這麼一首曲子。
この曲はジュブナイル的な学校でのオカルト集団といった幻覚が見えます。どこかママゴトっぽい感じがたまらないですね。曲自体はゲームにも使えそうな感じでもあり、このCDの中でも東方らしい曲だと思います。 這首曲子讓人仿佛產生了在低齡學校里出現了一個神秘社團的幻覺。就是那種又仿佛在過家家一樣的感覺讓人慾罷不能呢。曲子本身我感覺用在遊戲裏也沒什麼問題,在這張CD中算是比較有東方風格的曲子。
変な音が裏で鳴っていますが、私の中で学校のオカルトといえば理科室なので、理科室っぽい音が入っているのでしょう。って理科室っぽい音? 背景里插入了奇怪的聲音,那是因為在我心中說到學校的神秘那當屬理科實驗室了,所以才加入了理科實驗室感覺的聲音吧。話說理科實驗室感覺的聲音是啥?

遠野幻想物語

第68頁
< 鈴仙·優曇華院·因幡   東方文花帖   紅美鈴 >
遠野幻想物語
(『東方妖々夢』収録曲)
遠野幻想物語
(《東方妖妖夢》收錄曲)
幻想的で東洋風でどこか懐かしさを感じさせるメロディに案外忘れがちだが、この曲は実はもの凄く可愛い曲だと思う。ピアノのメロディは儚さを表し、笛のメロディは子供達の祭りの様子を感じさせる。 幻想性和東洋風並存,讓人不由得感到某種眷戀之情。雖然旋律意外地容易被忘記,但我覺得其實這是一首非常討人喜歡的曲子。鋼琴的旋律表現着虛幻的意境,笛子的旋律則讓人聯想起孩子們正在參加祭典的樣子。
歴史を感じさせる風習というか、そういった物に子供が絡んでくるととたんに可愛く、儚くなる様な気がする。と言うか儚い物は可愛いのかも知れない(飛躍してるなぁ)。 風俗能讓人感受到歷史,當它和孩子們結合在一起的時候,仿佛就會變得更討人喜歡,變得更虛幻。說起來,虛幻的東西可能也就是討人喜歡的東西吧(思維太跳躍了啊)。
でも暗さと重さを感じさせないこの曲は、聞いた後に嫌な物が残らない。むしろ嫌な物を持っていってくれる。そういう曲だと思っている。 但是聽了這首讓人感覺不到陰暗和沉重的曲子之後,不會有什麼討厭的東西遺留下來。不如說是討厭的東西被帶走了吧。就是這樣的曲子了。

古老的冥界寺

第72頁
< 帕秋莉·諾蕾姬   東方文花帖   伊吹萃香 >
古の冥界寺
(『蓮台野夜行』収録曲)
古老的冥界寺
(《蓮台野夜行》收錄曲)
この曲は……良く判りません。作曲したときの事も良く覚えていません。ただ、この曲のメインはラストの余韻(3分あたりから)であることは間違いない。ラストの余韻を楽しむためだけにイントロもメロディもあるとしか思えない。 這首曲子……沒多少印象了。當時作曲時候的事情也不太能回憶起來了。不過,這首曲子主要聽的是最後的餘韻(從三分鐘左右開始)這一點我記憶猶新。整首曲子的前奏和曲調感覺都是為了讓人能夠享受最後的餘韻。
この曲の幻覚は、最後の余韻まで見えてこない。ただ、最後に寂寥感と何かを聴いてきた様な記憶だけが残る。 這首曲子的幻覺嘛,在最後的餘韻到來前就消失了。不過,最後我仿佛聽到了什麼一般還有就是一些靜寞之感留在了我記憶中。
このコメントも、曲を書いた後すぐに書いた物ではないため、作曲当時の心境が思い出せません。それでもただ曲と曲名だけで判断すると、逆に客観的な見方が出来てこれはこれで面白い物です。 這段評論也一樣,因為不是作曲之後立刻寫下的文字,所以當時的心境已經無從回憶。不過這樣一來光從曲子和曲名來判斷的話,反而能得到客觀的結論這一點也是相當有趣的一件事。

音樂專欄「幻想的音覺」

第88頁
< 六十年一次的花之異變   東方文花帖   訪談 >
音楽コラム「幻想の音覚」について 關於音樂專欄「幻想的音覺」
我々が慣れ親しんだ様々な楽曲について、
あたかも自らが作曲したかのように滔々ととコラムを書き連ねる博麗神主。
その指摘は実に的確で、
あながち全てを虚言として切り捨てるには信憑性が高すぎる。
よもや彼はその名前通り”あの”博麗神社の神主だとでもいうのだろうか。
しかし彼の書いた文章を楽しむことと、
彼が何者であるかということは何の関係も無いわけであり、
――そう、純粋に楽しめばいいのだ。心の赴くままに。

御伽之國的鬼島 ~ 迷失之力

第88頁
御伽の国の鬼が島 ~ Missing Power
(『東方萃夢想』収録曲)
もの凄いスピード感を感じる曲です。これまでの作品のラスボス曲の中では、最も可愛い曲になったので満足しています。スピード感はあるけど、メインのメロディはもの凄く単純なところも気持ちが良いのです。
この曲には世界の広がりを感じないですが、どこか寂しくもなってきます。こんなに楽しげなのにどこか壊れそうなくらい細く感じる何かが、この曲のMissing Power(失われた力)な所だと思っています。
でも、イントロだけ取ってみると、これで音を変えれば重厚で重い曲になったような気がする。ここの私の迷いも有るのかも知れない。ラスボスなのにこんな巫山戯たガキ(失礼)で大丈夫なのかな~という……。

少女秘封俱樂部

第88頁
少女秘封倶楽部
(『蓮台野夜行』収録曲)
秘封倶楽部はゲームとは別角度から世界を切り出していこうと考えたサークルです。テーマ曲を与えないと、折角のキャラが生きてこないのでこの曲を書きました。テーマ曲とは格好良い曲である必要がある、と言うのが(偏った)私の考えです。だから、出来る限り格好良くノリ良くお洒落に攻めてみました。
この曲を聴くと、ピアノを格好良く弾いている幻覚を見ます。こういう曲を弾いているとお酒が飲みたくなりますよね。ピアノが格好良く聞こえる曲って、リズムはサラッと一定の方が良いのかなとも思う。ただ、そんな理屈を考えていると曲は駄目になる気がするので忘れよう。

死之幻想曲

第89頁
ネクロファンタジア
(『東方妖々夢』収録曲)
対処不能の胡散臭い曲を作ろうと意気込むも、かなり東方らしい所で落ち着いたなーって感じです。妖々夢が全体的に落ち着いた、風景を大切にする曲が多かったので、この曲ぐらいは系統を変えて「これならシューティングにも使えるぞ」ってな感じに持っていきました。
この曲を聴くと、もの凄い勢いで体力が消耗します。この曲だけ現代的な物を感じられるかも知れない。幻覚もどちらかというと、現代から未来を感じてしまう。
ネクロとは死の事。死の幻想世界。幻想世界が死を見せるときそこにあらわれるのは現実である。だからこそこの曲は、歴史を感じるのではなく、現代を感じる曲である必要があったのです。

幻想的永遠祭

第89頁
幻想の永遠祭
(『蓮台野夜行』収録曲)
幻想と言いつつも、この曲は明らかに現実的な曲になっている。このCDの締めの為にこういう曲を持ってきたって事でしょう。こんな感じの曲を最後に持ってこなかったら、全体的に不安なままでCDが終わってしまうことを危惧したのだと思います。やっぱりそういう事ってあって、初めから終わりまで幻想的過ぎると、どこか戻ってこれなくなる感じがしてしまう。
でも、この曲は戻ってきた、という印象を与えるためだけにあるので、曲自体のパワーは弱いと思う。自分では大した幻覚を見ることも無く、普通の曲というイメージが強い。でもCDには必要な曲でしょう。

月之妖鳥,化貓之幻

第89頁
月の妖鳥、化猫の幻
(『蓮台野夜行』収録曲)
これは言うまでもなく、蓮子とメリーの二人の曲です。妖鳥は蓮子で、曲の前半部分のスピード感のある部分。化猫はメリーで、後半部分の奇妙なリズムの部分。まるで鳥に乗って空から夜の街を見ている様な部分と、まるで酔いどれの猫になったかのように街をふらふらと見て居るような部分。まさにそういう意図で作曲しました。
テーマを理解しないで聴くと訳の分からない曲ですよねぇ。はっきり言って私の自己満足でしかない曲なんで、こういう曲を普通にCDに混ぜてしまうのは如何な物かと考えてしまう。でも、私はお気に入りです。

東方的平原

第89頁
プレインエイジア
(『東方永夜抄』収録曲)
これこそが日本人が見た日本だ、という意気込みで曲を書きました。純邦楽と言われる曲がありますが、アレは完全に作られた日本なのではないのかと思う。日本人は歴史の物の成長を再開させた様に見えて、その実は歴史と現代を分け始めた。本当は、現代風の手段をもってして、自然とどこかに日本が入ってくる事を目指すべきだと思っています。
この曲は今の私が考える日本の曲。別に三味線や尺八に拘るわけでもなく、日本ならではの音階を使うのでもなく、ある物で表現する。こういう曲を聴くと、日本に生まれて良かったという幻覚を見る。えっ幻覚?いやいや、幻覚は思い込みなどではないのです。

蓬萊傳說

第90頁
蓬莱伝説
(『蓬莱人形』収録曲)
蓬莱というのは、おそらくこれからも東方の作品に出てくるキーワードだと思っていたので、初音楽CDの一曲目はこのタイトルにしようと考えて出来た曲です。そう、先に曲名から決まって、そこからイメージして曲を書く場合もあるんですよね。
恐ろしいほどにゆったりとした静かな曲です。最近こういう曲を書いていないな……。頭が完全にシューティング脳になってしまったか。これでは視野が狭くなるだけなので、たまには東方脳を取り戻さないとね。
こういった音楽CDオリジナルの曲のコメントは、ここで初めて書くので割と貴重です。曲のコメントを書くことで色々と思い返し、それが成長にも繋がるのでこういう場は有難い限りです。

竹取飛翔 ~ 月之公主

第90頁
竹取飛翔 ~ Lunatic Princess
(『東方永夜抄』収録曲)
未だ、実際にこの眼でかぐや姫を見たことがない私は、竹取物語を読んで想像するしかなく、私なりな解釈で竹取物語終了後を曲にしてみました。
満月の夜に現れる月の使者、それに抵抗する地上の人間。だが月の死者の前では為す術もなくやられてしまう。もう抵抗する気も失ったその時、地上の竹が光り始めて……現われたのは月の姫、かぐや姫だった。かぐやはこれ以上人間には迷惑をかけまいと、一人戦う決心をしたのである。
という妄想は無く、大昔の日本の空にあったと言われる月と、空を翔る姫達をイメージして作曲しました。勿論遊び心も忘れずに、判る人だけに判るレトロさを入れて、何十年後になったときに最後まで心に残る曲になるよう頑張りました。

馬戲團幻想

第90頁
サーカスレヴァリエ
(『蓬莱人形』収録曲)
これは今のゲームの曲では考えられないほど暗くて重くて……どうにかしてください。今の東方の曲は大体情景と共に幻視出来る曲が多いですが、この曲で得られる幻覚には背景が無い。暗闇です。この作りは今の私の好みではないので、この曲を書いたときの心境を知りたいものです。
ただ、殆どピアノのこの曲は、深いイメージも持たずキーボードをふらっと弾いてしまった時にできた曲に、リズムをつけた物だったと思います。今聴くと何とか纏めた曲といった感じもするので、弾いているとどんどんと収拾がつかなくなってきてどうして良いのか判らない自分が容易に想像できる。

科學世紀的少年少女

第90頁
科学世紀の少年少女
(『夢違科学世紀』収録曲)
科学世紀って言ってもまるで未来を感じない曲。それは当然で、科学世紀という言葉自体が古いイメージしか無いからですね。実際この曲は「科学世紀を懐かしむ曲」という複雑なテーマに挑戦した物です。私は、この曲はかなり気に入っています。
レトロな服装を着た少年少女が、オカルト紛いの科学に没頭する世界。そういう幻覚を見ます。決して明るい物では無いけど、常に前向きな世界。セピア色の科学。
どうせならそういう懐古主義もありだろうといった感じ。ただ、私が懐かしさを出そうとするときに多用する音やメロディが出まくりなのは、これからの自分の曲の課題になるのかも知れない。

風神少女

第91頁
風神少女
(『東方花映塚』収録曲)
非常にノリの良い曲です。新しい曲という理由もありますが、自分の東方像にかなり近い曲です。自然、少女らしい可愛らしさ、酒脱した感じ、日本を思い浮かべる東洋風、ノリを損なわずシューティング向きな所、たまにこういう曲があると良いですね(他人事みたいですが)
そう、私は昔はトランペットを吹いていたこともあったのでマイトランペットも持っている。こういう曲をトランペットで吹いたら格好良いだろうなぁとしきりに思う。
ちなみにこの曲がトランペットメインなのは、風を吹き込むから。

夢和現實的境界

第91頁
夢と現の境界
(『夢違科学世紀』収録曲)
曲名とテーマは、明らかにストーリーから決めたもの。この曲自体が境界という役割を持ちつつ、実は境界自体は曲の中にも封じ込めてある。二重の結界です。と言うのも、イントロまでは明らかに夢である事を意識していて、メインのメロディ自体は現実を意識しているからです。
まぁ、曲自体はどうなのか? という感じもしなくもないですが、そういった意味を持った曲と言うのも、意味さえ分かれば楽しめます。逆に言えば、曲の中の幻覚のバランスが大きいのでしょう。

童祭 ~ 天真的寶藏

第91頁
童祭 ~ Innocent Treasures
(『夢違科学世紀』収録曲)
この曲は、今まで作ったことのない最も難易度の高い曲でした。なんと言っても自分のテーマ曲ですから。トークショウの時の入場テーマ曲として書いた曲で、どう作っても恥ずかしいので何とも。
曲はうっかり良く出来たと思う。でも壮大すぎて、可愛らしすぎて、自分のテーマ曲じゃあ無いわな。
この曲のメインメロディが出来たときになぜか「ゆめた・が・え、ゆめた・が・え」と口ずさんでいたので、このCDのタイトルにもなってしまいました。本当はこの曲のタイトルを「夢違観音」にしようと考えていたのですが、私のテーマ曲なのにそれってのもどうかと思って止めましたとさ。

灰姑娘的籠子 ~ 籠目籠目

第91頁
シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome
(『東方永夜抄』収録曲)
プレインエイジアに近い考えの曲ですが、こっちの方がもっと露骨に日本のメロディや音を使っています。この曲は日本人なら誰でも知っている『カゴメカゴメ』を独自の解釈で東方風にアレンジした物です。
既に原曲の時点で心を揺さぶる物となっていて、私の中では『とうりゃんせ』と並んでパワーのある日本の二大幻覚童謡だと思っています。ここまで別の曲に変わったところで、そのパワーは衰えを見せない。それは私程度が幾ら弄ったところで原曲のパワーを消せる筈などない。ならばそのパワーを利用した方が良いと考えました。
ちなみに、シンデレラは海外の童話です。え? 判ってるって? ごめんなさい。

華胥之夢

第92頁
華胥の夢
(『夢違科学世紀』収録曲)
1曲目の童祭とは正反対の方向へ向いた曲です。ピアノで幻想的な曲が欲しかったので作りました。ちなみに、夢違科学世紀は、気が付いている人も居るかと思いますが、アレンジの曲は夢の中、オリジナルの曲は現実世界、というストーリー設定になっています。
この曲は印象的なサビが結構重く、ちょっと童祭の後に聴くと辛いです。メリーの夢も結構悪夢なのかなぁ、と思ってしまう位重く聞こえる。

花映冢 ~ 回到彼岸

第92頁
花映塚 ~ Higan Retour
(『東方花映塚』収録曲)
タイトル画面の曲は、もうお馴染みとしか言いようがない程同じテーマを持った曲。もう、初めて聴いても初めてとは思えない位です。でもアレンジという訳ではなく、メロディも完全に同じかというと同じでもなく、ただただ雰囲気だけが同じなんですよね。
結構タイトル画面の曲って気を遣って、嫌な気分にならない、頭に残りすぎない様にしたいと思っています。必ずしもそう出来るわけではないのですが、静かにゲームを押している感じ、っていうものが欲しい。

空中飛翔的巫女不可思議的每天

第92頁
空飛ぶ巫女の不思議な毎日
(『蓬莱人形』収録曲)
蓬莱人形の中では最も現実的な曲。幻想的な部分が少ないかも知れない(ピアノソロ部分除く)ゲームに使うとしたら確実にスタッフロールでしか使えないと言った感じの曲なので、音楽CDのラストに持ってくるのは正しい。って昔の自分を自分で評価してどうするよ。
ただ、この曲から受け取る幻覚が少ないのが今の自分的には気になる。これはこの曲が現実的すぎる所為だと思うが、本当にそれだけなのか判らない。
特定のイメージを湧かせない所がこの曲の曲名なのかも知れない。、曲名の巫女は明らかに霊夢の事だと思う。霊夢だから特定のイメージが湧かないように書いた、と考えたら過去の自分を評価しすぎですね。はい。

東方妖妖夢 ~ 古代寺廟

第93頁
東方妖々夢 ~ Ancient Temple
(『東方妖々夢』『蓮台野夜行』収録曲)
4面までの世界、この世と、5面以降のあの世という空気感の違いを何とかして曲で表したかった。この曲はその一つの結果ですが、結構満足しています。 この曲はストーリーと言うよりは場所をイメージした曲ですが、こういう曲を聴くと大抵はその場所に居たいと感じさせる。でも、この曲は「非常に美しい場所だが、ここには居たくない」と感じる。
この曲を聴くと、古い古い時代の日本を幻視する。あの世というのは既に亡くなったこの世でもあるので、この幻覚は偶然ではなく、これこそ幻覚だと考える。
印象的な曲にはゲームタイトルを使うことが多いので、この曲もその一つ。

U.N.歐文就是她嗎?

第93頁
U.N.オーエンは彼女なのか?
(『東方紅魔郷』『蓬莱人形』収録曲)
東方紅魔郷は東方作品で6作品目です。でも、殆どの方には紅魔郷がデビュー作となっています。そこでデビュー作でいきなり意表を突く事が出来ないか、考えた結果、「東方というタイトルで東洋風な物を想像するだろうから、一作目は東洋風にならないようにしよう」と言う思考に思い至りました。この曲はその結果でもあります。
この曲を聴くと結構不安になります。個人的な感情というか幻覚ですが、どこか不安定な音と繰り返される軽快なメロディ。意図しない不気味さがこの曲にある。
たまにはこういう曲を作っても良いかもしれない。なかなか今の能天気な幻想郷の連中には似合わないのが問題です。

夜幕降臨 ~ 夜空之星

第93頁
夜が降りてくる ~ Evening Star
(『東方萃夢想』『夢違科学世紀』収録曲)
シューティング以外の曲と言うことで若干悩みつつも、いざ創ってみるといつも通り過ぎて何とも。この曲はあの困った妖怪の八雲紫のテーマ曲です。だから、曲にも境界を入れたくて、明らかに異なる二つのイメージで構成してみました。その境界は前半は不気味に、後半を気持ちの良い感じにしたので、急に視界が開ける感じで気持ちが良く気に入ってます。
この曲を聴くと、急速に広がる視野と夕方の神社を幻視します。聴けば東方の曲だとすぐに判る感じもするけど、どこかが他の曲と違う感じがする。理論的な所ではなく、これは曲の幻覚成分に差があるのだと思う。つまり、シューティングではないと意識した私の心が反映されているに違いない。

註解

  1. 潮來(イタコ):日本北部一種神道中的女巫。通常是失明的,據説有與死者溝通的能力也可驅魔。老潮來的比新的潮來更有能力。